夢を叶えて移住した『北欧こじらせ日記』の著者chikaさん「私にはその発想がなかった」フィンランドで衝撃を受けた仕事観
北欧好きをこじらせた会社員が、フィンランドでの日々をマンガでつづるリアルライフエッセイの『北欧こじらせ日記』(世界文化社)。その第4弾の「フィンランド起業編」では、失業からの起業でリスタートした移住2年目の七転び八起きが詰まっている。 【マンガを読む】初めてのホリデーでchikaさんが体験したコト SNSアカウント『週末北欧部』やSNSなどで北欧ライフを発信する著者chikaさんが移住した先は、フィンランド・ヘルシンキ。この国との最初の出会いは8歳のときに通っていた英会話スクールの、「フィンランドのサンタクロース村に手紙を書く」というイベントだった。 誕生日がクリスマスだったことから「いつもプレゼントをありがとうございます、いつか行きます」と書いたことがきっかけで、それ以来「フィンランドが特別な存在になった」と振り返る。 2022年に13年越しの夢を叶えて移住したchikaさんだが、移住1年で就職先が倒産してしまうなど、決して楽しいことばかりではなかった。 現在、日本やフィンランドでエッセイ等の執筆活動を行う個人事業主に転身したchikaさん。「ここに住みたい」と思わせるフィンランドの魅力はなにか。さらに、仕事観や人生観を変えるほどの人との出会いのエピソードを聞いた。
フィンランドの魅力は?
初めてchikaさんがフィンランドを訪れたのは大学3年生の20歳のとき。「ここに住みたい」と日本以外の国で初めて思ったという。 「フィンランドで出会った人たちの空気感がぴったりと肌にあった感じがして、いつかフィンランドに住みたいが口癖になっていました。ただ現実的に見て、英語もフィンランド語もできない自分がどうすれば移住できるかを模索した末に、すし職人の道を見いだしました。この仕事を知るうちに、“何歳になっても自分らしく目の前にいる人を幸せにするキャリア観”も合っていると思い、会社員を続けながらすし職人になるための学校に通い、修業3年目を迎えた2022年の春に移住しました」 chikaさんはフィンランドの魅力を2つ挙げる。 1つが「自然との距離感」、そして「人との距離感」だ。 「自然との距離感は、首都ヘルシンキも森や湖がシームレスに存在しており、都市部からも行ける便利さで自然が共存している。田舎育ちの私にとっては、理想的な環境でした。人との距離感は、“尊重と無関心の間 ”と名付けていて、あまり踏み込みすぎないけれど自分らしさを大事にしている距離感がすごく心地よく感じました」