女性の視点からリスクを考える!災害時の女性被害、私たちが知っておきたいこと
年明けに突然、能登半島を襲った地震。最大で震度7の揺れを観測したこの地震から2カ月過ぎた今も、被災地では1万人を超える人たちが避難所で暮らし、女性ならではの悩み、避難所生活での苦労やリスクなども徐々に明らかになりつつある。 毎年のように起こる豪雨、洪水、土砂崩れ・・・そんな「災害大国」の日本で暮らす私たち。災害が起きたら、私たちにどんなことが起こるのか? 災害ボランティアとして被災地に行くときに知っておいた方がいいことは? 女性の視点で災害のリスクや防災を考えてみよう!
災害が起きた。どんなことが起きる可能性があるのか
起きてほしくない災害。でもこれまでにたくさんの災害を経験してきた日本だからこそ、過去から学べることがたくさんある。東日本大震災女性支援ネットワーク(※)が実施した「災害・復興時における女性と子どもへの暴力」 に関する調査(2015)によると、「避難所で、夜になると男の人が毛布の中に入ってくる」「女の人をつかまえて暗い所に連れて行って裸にする」などのジェンダーに基づく暴力の被害にあった女性たちがいることがわかっている。6~12才の少女からは「(成人男性に)キスしてと言われた。トイレまでついてくる。着替えをのぞかれる」という経験をしたという声も。 (※)現在、東日本大震災女性支援ネットワークは解散しており、当団体メンバーが新たに立ち上げた「減災と男女共同参画 研修推進センター」が活動の一部を引き継いでいる。
私たちが被災者になったら
被害にあった女性たちの一部からは「周りの女性も『若いからしかたないね』と見て見ぬふりをして助けてくれない」といった経験も聞かれた。まるで女性が若かったのが原因のようにも聞こえる。これは本当に「災害時だから」「女性だから」しかたがないことなのか? もしかしたら、避難先のプライバシーが守られていなかったことに要因があったのかもしれない。もしくは、ジェンダーに基づく差別や偏見があったのかもしれない。そして、これらのリスク要因は災害が起きる前、つまり防災を考えるときに女性の視点が入ることで、減らすことができる部分もあるはず。