“お漏らし”がお洒落トレンド? 股間が濡れているように見えるデニムが完売!「見た目のインパクト強すぎ…」
ブリティッシュ・イタリアンブランドが発表した、股間周りに濃い染みがついたストーンウォッシュのデニムが話題だ。まるでお漏らしをしたかのような見た目にも関わらず、ブランドのオンラインショップでは完売となった。ファッション界は奇抜なアイデアを売るのに努めているが、股間の汚れもその一つのようだ。 【写真】お漏らしをしたかのような見た目のデニム
メディアも驚愕 見た目のインパクトが強すぎる…
このデニムは、ロンドンを拠点とするメンズファッションブランドのジョーダンルカが、2023年ミラノ・ファッションウィークの秋冬コレクションで発表したもの。Z世代向けのデジタルメディア、カルテッドによれば、デザイン自体は、伝統的なイタリアン・テイラー調とロンドンのエネルギーが融合した、ジョーダンルカらしいものだという。しかし“小便まみれ”の外観が注目を浴び、数々の国際的なメディアに取り上げられた。 ニューヨーク・ポスト紙によれば、ネット上では、“おしっこの染みデニム”というありがたくないニックネームが付けられている。ソーシャルメディアは、「トイレの順番待ちの必要はなくなった」「うちの子もいまやファッショナブルと言える」「臭うかな?」「次は大きいほうの染み付き確定」など様々なコメントで盛り上がっている。
汚れはファッション? 過去には有名高級ブランドも
「いったい誰が着るんだ」という疑問の声も多数あったが、実はこのデニムはオンライン販売されており、600ドル(約9万3000円)というお値段にも関わらず、完売になる人気だという。ちなみにオンラインショップで日本から注文した場合、12万5700円となっている(5月7日現在)。 カルテッドによれば、実は染み付きデニムを前面に押し出したブランドは、ジョーダンルカが初めてではない。2020年、グッチは“草の染み付きジーンズ”を発表。ガーデニングをした後のような緑の汚れが付いていたが、お値段は600ポンド(約11万6000円)と超高級だった。このときは、「自分で作れる」というもっともな反応が、ネット上では圧倒的に多かった。 一方、ロンドンを拠点とするブランド、ディ・ペッツァも、女性の股間が濡れているようなデニムや、母乳が漏れているかのようなプリントのシャツを発表している。エンタメサイト、ページ・シックスによれば、女性のありのままの姿を表現するのがブランドの目的ということで、今のところ大きな批判は受けていないようだ。
狙い通り?賛否より話題性が大切
奇抜なファッションは良くも悪くも人目を引くものだが、カルテッドはグッチの草の染み付きジーンズを例に、ファッションのどの分野においても、あらかじめダメージを受けた服はブランドのエンゲージメントを高めるという見方を示す。 おしっこの染みがついたパンツを擁護する人であれ、汚れたジーンズに大金を費やすことに首をかしげる人であれ、ネットや口コミであっという間にジョーダンルカの人気が爆発したことは否定できないとカルテッドは述べている。今回の手法も、りっぱなマーケティングと言えそうだ。
文:山川真智子