「諸鈍シバヤ」演目多彩に 紙の面をつけた男衆が演舞披露 瀬戸内町・加計呂麻島
国の重要無形民俗文化財「諸鈍シバヤ」が11日、鹿児島県瀬戸内町加計呂麻島の諸鈍集落であった。男衆が紙の面カビディラをつけ、本土や奄美・沖縄、中国由来の口上や所作が交じる多彩な11演目を大屯(おおちょん)神社で披露した。 【写真】華やかに舞う棒踊り「スクテングヮ」=11日、瀬戸内町諸鈍の大屯神社
出演者は諸鈍長浜で身を清めた後に楽屋入りし、三味線や鳴り物、はやしに合わせて登場。中国で宋が天下を取った祝いとされる棒踊り「スクテングヮ」を優雅に演じ、豊作を祈る「タカキ山」では大太鼓を響かせ、元気よく舞った。 諸鈍シバヤ保存会(吉川久也会長、18人)のほか、諸鈍小中学校の児童生徒らが加わる演目もあった。吉川会長(53)は「会員が高齢化する中、子どもが楽しんで演じてくれて何より。昔ながらのシバヤを継承するのが役目」と語った。 集落の平穏無事などを祈り旧暦9月9日に行われる同神社の例祭にシバヤを奉納。壇ノ浦の戦いで源氏に敗れ、島に逃れた祭神の平資盛が教えたのが始まりと伝わる。琉球交易が盛んだった往時、集落は海上交通の要所だった。
南日本新聞 | 鹿児島