8歳馬ハヤヤッコ激走に国枝師も驚き「びっくりだよ。俺も見習わないと」/AR共和国杯
<アルゼンチン共和国杯>◇3日=東京◇G2◇芝2500メートル◇3歳上◇出走16頭 【写真】興奮が治まらない様子のハヤヤッコ 白毛の馬体が大外から躍動した。10番人気のハヤヤッコ(牡8、国枝)が最後方から大外一気で差し切りを決めた。勝ちタイムは2分29秒0。トップハンデ58・5キロを背負いながら、22年の函館記念以来となる勝利。重賞3勝目を挙げた8歳馬は、この先さらに大きなレースを目指す。 ◇ ◇ ◇ 前日の雨から一転、快晴に恵まれた府中。秋の西日に照らされて輝くように、白毛の8歳馬が差し切った。場内からはどよめきにも似た大きな歓声が上がっていた。ハヤヤッコとは初コンビとなった吉田豊騎手は「外に出してから1完歩ずつ伸びてきた。もうおじいちゃんだけど、よく頑張ってくれた」とベテランを褒めたたえた。 やるときはやる男だ。「今回はやる気になっていたね」と国枝師が明かしたように、装鞍所からパドックまで、力強く元気に周回して若々しさを見せていた。ただレースでは「促しても進んで行かなかった」と鞍上が振り返るように最後方から。そこでリズム良く運ぶ方向へスイッチ。これが功を奏し、最後の直線では待ってましたと言わんばかりの剛脚を披露。経験豊富な白毛馬は、勝利への道筋を自分で理解していた。 今日の勝利でまだまだ一線級の力があることを証明した。トップハンデを背負いながら勝利した8歳馬。「びっくりだよ。俺も見習わないと」と再来年に定年を迎える名伯楽は驚きを隠せなかった。ここまで芝、ダート両方のG3を1勝ずつ、そして今回のG2勝ち。残すは最高峰の頂だ。「もう年齢も年齢だし、次は大きいところへ行きたいね」。見据えるは年末の大舞台か。それとも世界から強豪が集結する府中か-。次はG1で「白毛のおじいちゃん」は、ファンへ勇姿を見せ続ける。【深田雄智】 ◆ハヤヤッコ ▽父 キングカメハメハ▽母 マシュマロ(クロフネ)▽牡8▽馬主 金子真人ホールディングス(株)▽調教師 国枝栄(美浦)▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績 42戦7勝▽総獲得賞金 3億614万円▽主な勝ち鞍 19年レパードS(G3)22年函館記念(G3)▽馬名の由来 速くて白い