「デジタル住民」を募集 天龍峡の有志チームがNFTアートの販売開始【長野県飯田市】
長野県飯田市の天龍峡に関係人口を増やすための取り組みとして、所有権を証明できるデジタルアート作品「NFTアート」の販売が22日から始まった。竜をモチーフにした画像をネット上で売り、購入者は「デジタル住民」として観光課題の解決に関わる。 新しい形の関係人口をつくり、地域課題の解決につなげようと、飯田の有志チーム「ねやねや天龍峡デジタル住民部」が地元の窓口となり、NFTアートは新潟県長岡市山古志に本社を置く企業「クリプトヴィレッジ」が発行する。 NFTアートは作品一つ一つに固有の価値があり、デジタル住民であることも示す。天龍峡のためにアーティストが描いた作品は、リンゴを手にする竜と峡谷が描かれたGIF画像で、小さく動く。 天龍峡では仮想通貨の場合、1枚7000~8000円、電子決済の場合はNFTアートと実物のデジタル住民カードがセットで9800円。宿泊券や特産品、食事券などが付いた2万9800円と4万9800円の“詰め合わせ”も用意した。 デジタル住民になった購入者は今後、天龍峡の視察や地域住民との交流、会議に参加し、集まった資金を使って、プロジェクトとして具体化させる予定。 広報面はJR東海グループが、関係人口創出サイト「conomichi(コノミチ)」を使って支援する。 ねやねや天龍峡デジタル住民部は、飯田下伊那在住者や出身者、自治体職員などの5人で組織する。 東京と飯田で2拠点生活を送る代表の大平雄司郎さん(30)は「地元の人が飯田のことを『何もない』というのを耳にするけれど、市街地から30分の天龍峡には誇れるものがある。観光の衰退を実感する中、ねやねや(にぎわう様を表す方言)な状況を創り出したい」と話している。 販売窓口はX(旧ツイッター)のアカウント「天龍峡LocalDAO」と公式サイト。