あなたも直木賞作家? 物語のあらすじが作れる小説創作支援ソフトが進化
小説創作支援以外の分野への応用も
学生10名に、従来ソフトと新ソフトを使わせてアンケートを収集したところ、「悩まず書き出せたか」、「あらすじの流れは把握しやすいか」の設問で、新ソフトを評価する声が上回ったほか、創作時間は従来ソフトに比べて半減する一方、出来栄えの満足度はほぼ同等だった。 ただし、選びたい例文がない場合もあったことや、現状の例文では時代小説やミステリーといった多様なジャンルの創作に対応しきれないなど、課題も見えてきた。モバイル端末の小さなモニタに適した画面表示や操作方法も検討する必要がある。 これらの解決に取り組んで完成度を高めるとともに、協業先の検討など製品化に向けた道筋を整え、2016年度中にリリースすることを目指す。 「最終的には、一つの小説をすべて完成させられるようなソフトにしたい」と米村教授。会話文は何をどう盛り込むのか、設定に必要な資料収集をどう支援するのかなど、数々のハードルがあるのは確かだが、「やるべきことがたくさん残されている研究分野だからこそ、面白いんです」。 このほか、小説の創作支援にとどまらず、ビジネスの現場からは文書作成支援に使えないかとの問い合わせも寄せられている。「使えそうな分野は結構あるんですよ。今後は、こうした応用分野の拡大にも取り組んでいきたいですね」。 (取材・文:具志堅浩二)