アダム・スコットがプレーオフ初戦でアイアンを変更した理由
◇米国男子プレーオフ第1戦◇フェデックスセントジュード選手権 ◇TPCサウスウィンド(テネシー州)◇7243yd(パー70) 【画像】アダム・スコットの豪快なスイング アダム・スコット(オーストラリア)は7月、スコットランドの「ジェネシス スコットランドオープン」で2位、続く「全英オープン」で10位タイに入った。これは信頼するアドバイザーであるタイトリストのリアム・マクドゥガル氏から助言を受け、それに応えた結果だった。
スコットは今週のプレーオフ初戦を前に、アイアンを三浦技研のカスタムブレードから複合セットへスイッチする準備を進めていた。好成績が続いた直後に、なぜなのか?理由は、テネシー州メンフィスにある開催コース・TPCサウスウィンドの芝にある。 開幕前日、スコットは「ここのターフのコンディションは、スコットランドとはかなり違うから、ここに最も適したアイアンを使う」と語った。 今季序盤、意図した調整をしながら好結果を得られなかったスコットが、今は最高のレシピを見つけたと確信している。レギュラーシーズンにおいて、プレーオフ第2戦「BMW選手権」の出場資格であり、来季シグニチャーイベント8試合の出場資格でもあるフェデックスカップランキング50位以内となる46位と踏ん張った。プレーオフ初戦の今週は2つの資格を確定させる試合。そのタイミングのアイアン変更が好結果を生むことを願って開幕を迎え、2日目を終えて33位につけている。 スコットはスコットランド2連戦の前まで、2024年シーズンを通して三浦技研「KM-700」とスリクソンの複合セットを交互に使ってきた。しかし、地面がより硬いスコットランドではターフの抜けを良くするバウンスの少ないアイアンの必要性を感じ、2022年に初めて使用した三浦技研「AS-1カスタムブレード」を引っ張り出してきた。
「芝のコンディションにバウンスとソールを合わせるための変更だった。あのリンクスのターフで狙い通りのストライクやスピン量などを得るために、ソールが素晴らしいAS-1を使った。ワイドで、かなりローバウンスで、ターフの抜けもいい感じだったからね」 スコットランド2連戦の好成績を見る限り、アイアンのスイッチは成功だったと言える。 しかし、今週のTPCサウスウィンドはティイングエリアとフェアウェイがゾイシア芝、ラフがバミューダ芝で、スコットランドと全く異なる。今度はそれに対応すべく、三浦技研の「KM-700」(6~9番)と「302 CB」(4、5番)の複合セットにして、その上の番手に「スリクソンZX Mk II」のドライビングアイアンを入れる。 「このセットなら今週のゾイシア芝に合うし、少しフワフワして、ターフへの入れ方と抜き方に気をつけなきゃいけないバミューダ芝にも合っていると思う。他のソールだと、少し入り過ぎてしまい、ボールが浮いているとフェースの少し高い位置で打ってしまうようになる。今週のこの変更は決めていたし、これが正解だとかなり自信がある。昨日のトラックマン(弾道測定器)のデータもいい感じだった」
ほとんどの選手は、スコットランドとメンフィスで同じアイアンを使用しているが、スコットは様々なコンディションで自分のギアの特性を見極めて使い分ける。歴史的に見ても熱心なギアのテスターだから、週単位で用具を替えることに何の抵抗もないのだ。 「英国で信頼の置けるアドバイザー(マクドゥガル氏)と腹を割った話ができて、全てがより少し整った感じになった。僕はここ数年、プロフェッショナルのゲームにおけるギアの役割を少し軽んじていたかもしれないと思った。用具とテクノロジーは重要だ。これからもっと使いこなせるようになる必要があると思っているんだ」 (協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)