「日本で“タイムトラベル”ができる…!?」 最新技術が実現する、国境と時空を超えるノートルダム大聖堂を巡る大冒険へ
2019年に火災に見舞われ、修復が進められてきたパリのノートルダム大聖堂。その約860年の歴史にフォーカスした特別展『パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅』が、11月6日から日本科学未来館にて開催される予定だ。ゴシック建築の代表作である大聖堂の内部をイメージした空間構成は、深い没入感を味わえるだろう。 【写真】時空を巡れるという実際の会場やプログラム内容を見る。 本展最大の特徴は、専用タブレット端末「HistoPad」を用いて鑑賞することだ。1160年の創建時から2019年の火災、その復興過程まで、数々のタイムポータル(時空の扉)を読み取る度に、当時の様子がタブレットで再現される。例えば、「皇帝の戴冠ー1804年ー」のタイムポータルでは、フランス革命によるダメージを隠しながら行われたナポレオンの戴冠式を覗くことができる。新皇帝の野心や複雑に絡み合う当時の情勢などが細かく表現されているこの仕掛けは、360度周囲を見回せる視点を採用したことで、平面では描き切れなかった忠実な再現を可能とする。 ノートルダム大聖堂の建築的な奥深さをあらゆる角度から学べるのも、この特別展ならではの魅力だ。特に注目したいのが、天才建築家・ヴィオレ・ル・デュックの技や情熱が込められた革新的な尖塔の設計。初代のデッサンを含む貴重な資料は、ここでしか見られない充実した内容となっている。そのほかに、日本未来科学館による東京展のオリジナルコンテンツや、日本らしさを融合させたオリジナルグッズなども展開される。 世界遺産と歴史、そして最新技術によって大聖堂が再び光を取り戻していく様子を覗ける本展。またとないこの機会に、ぜひ時空を巡る旅に出かけてほしい。
文:Pen編集部