旧安倍派を敵に回して、国民民主・玉木氏にすがりつく…石破政権がわずか1カ月で「泥舟」になった理由
■「日本を守ることで職責を果たしたい」 「政治とカネ」の問題が大逆風となって石破茂新政権に襲いかかった。自民、公明両党が10月27日投開票の衆院選で、公示前の279議席から215議席に落ち込み、総定数465の過半数(233)を割り込んだ。 【図表】各党の比例得票数。躍進した立憲民主党は意外と「微増」だった 各党が得た議席は、自民党191、立憲民主党148、日本維新の会38、国民民主党28、公明党24、れいわ新選組9、共産党8、参政党3、日本保守党3、社民党1、無所属12だった。自民党は公示前から65議席減、公明党は8議席減だったのに対し、立民党は50議席増、国民民主党は4倍の21議席増となった。 石破首相(自民党総裁)は、自ら勝敗ラインに掲げた与党で過半数には、非公認とした候補を公認しても届かないが、28日に自民党本部で記者会見し、「国民の批判に適切に応えながら、国民生活と日本を守ることで職責を果たしたい」と述べ、続投する考えを表明した。11月11日にも召集される特別国会での首相指名選挙に向け、自公政権としては、国民民主党や日本維新の会に政策協議を呼び掛け、閣内協力(連立政権入り)や閣外協力、政策ごとに連携を図る部分連合を想定、検討している段階にあるのだろう。 政治資金規正法違反事件で信頼が地に墜ちた自民党が総裁選で耳目を集めて顔を替え、ご祝儀相場で衆院選を乗り切る、という当初のシナリオが脆くも崩壊したとも言える。 小泉進次郎選挙対策委員長が28日、石破総裁に辞表を提出し、受理された。記者団に「結果が出なかったら、責任を取るのは当たり前だ」と潔さをアピールしたが、泥舟政権だと見て距離を置いたという憶測もある。 公明党は、支援団体・創価学会関係者の高齢化もあって比例選は596万票と過去最小に落ち込み、この20年で3割超も減少した。小選挙区選は4勝7敗と負け越し、石井啓一新代表が落選の憂き目に遭った。後継代表選が予定され、与野党間の政策協議に影を落としかねない状況になっている。