バスケットボール 新リーグNBLは成功するのか?
レギュラーシーズンは、ホーム&アウエー方式のリーグ戦方式で、1チームあたり54試合。JBL時代より12試合増えた。東西のカンファレンスに分け、それぞれ上位3チーム(6チーム)のプレイオフを経て3戦2勝方式のファイナルが行われる。 JBLとbjリーグのちょうど間を取ったような運営プランである。なのに、なぜ、ほとんどのbjチームは参加を見送ったのだろうか? 山谷氏を直撃すると「我々が信用されていないせいでしょう」と言う。 ――それは完全プロ化すると言っておきながら、しなかったからですか? 「では、逆に聞きます。プロ化とは何ですか?」 ――この短いあなたとの応答時間でプロの定義論を語ることは難しいですが、簡単に言えば、各チームが独立採算を目指すプロの興行会社となり、選手と、全員でなくともプロ契約を結ぶことでしょう。企業チームのままでプロ意識を持った興行ができますか? 「それが条件です。もしそれができなければ出て行ってもらうということです」 某bjリーグのチームスタッフからはNBL不参加の理由として「組織の運営面、他チームの経営状態などがあまりに不透明だったから」という話を聞いた。ホームでのチケット収入も全額、各チームに入るわけではなく協会が何%かを持っていく予定で、そのパーセンテージも提示されなかったという。かといってリーグからの経済的支援は期待できない。テレビ中継などチケット以外の収入源も担保されていない。 またもうひとつ大きな問題は、参加12チームを精査すると、五十嵐圭らスターを抱える企業チームがある一方で、明らかに戦力的に不安視されるチームも見受けられる。トヨタ自動車アルバルク東京やアイシンシーホーク三河らの強豪企業チームと対戦した時に、ダブルスコアでもついてしまえば初めて足を運んだようなお客さんは、「また見に来たい」とは思わないだろう。戦力均衡のためのシステムが、サラリーキャップだけでは効果は弱い。bjリーグにも存続が危ないチームが何球団かあって盤石のプロリーグではないが、それらのプロチームが、新リーグへの参加を決断するためには、信用ではなく“成功が担保される材料”が、あまりに不足していたのだ。 2015年には、さらなる先端推進リ―グとしてPリーグ(仮称)がスタートする予定で、NBLも、それまでに毎年、エクスパンションを実施したい考えだ。おそらくNBLを母体にbjを吸収して、Pリーグに発展させようと考えているのだろうが、そのPリーグがどんなものになるかも全く不透明のまま。野球、サッカーに並ぶ「第3のメジャースポーツ」の地位を確保したいなどと夢を語る前に、Pリーグ創立の具体案を語って欲しかったのだが……。