バスケットボール 新リーグNBLは成功するのか?
だが、一方でbjリーグからの移籍を英断したチームがある。 千葉に本拠地を置く「千葉ジェッツ」である。2010年にbjリーグに参入したばかりの新興チームで、まだ2シーズンしか戦っていなかったが(昨シーズンはプレイオフ出場)biからの移籍を決めた。千葉ジェッツの島田慎二社長は、決断理由をこう語る。 「偉そうですが、bjに、そのまま居ても経営が簡単ではないならば、未知の世界にチャレンジして、新しい風を吹かせてみようと思いました。新しいマーケットの広がりのチャンスはあると思います。事業の成功を見届けてから動くのではなく、ここでチャレンジしなければ、いつまでたっても何も変わらないじゃないですか」 bjは、全国の地方に事業を展開しているため、遠征費などの諸経費がバカにならない。加えて千葉という土地柄に地域密着のビジネスモデルのスタイルは作りにくいが、対して、NBLは、比較的関東圏にチームがまとまっていて、それらの問題などが若干クリアされている。bj時代には年間2億5000万円規模の予算で経営していた。NBL参加の試算を何度か立てたが、「とんとんくらいには行けそう」という感触もある。 「まだ何も始まってもいないのに重箱のスミをつついてもしょうがない。『やんちゃをしました。どうか力を貸して下さい』と、地域のスポンサーさんに営業をすると共感を得ています。一説では、『bjからNBLに移るとチームスポンサーがつかなくなる』というネガティブな意見がありました。でも、事実、移った僕らだから言えますが、それはない。バスケットは魅力のあるコンテンツであることは間違いないんです。今後、事業規模を4億、5億、山谷さんの言うような10億円規模にまで成長させたいし可能性はあると思っています。そのためにも、お客さんに応援したいと思っていただける“いいバスケ”を見せなくてはならない。現時点では、確かにチーム力に、格差があるでしょう。うちもJBLの選手を集めながら戦力を懸命に整えています」 島田社長には、プロスポーツに最も重要な“熱”がある。成功するかどうかの答えはコートの上にある。つまり面白いか、面白くないか。新リーグNBLの開幕戦は9月28日だ。 (文責・本郷陽一/論スポ)