「県民の理解得られるよう努力したつもり」3カ月半ぶり証言の斎藤氏、淡々と正当性主張
兵庫県議会調査特別委員会(百条委員会)で25日、斎藤元彦知事が約3カ月半ぶりに証言に立った。前回の証人尋問後、議会側から知事としての資質を欠くと批判され、全会一致での不信任決議を受けた斎藤氏。11月の知事選で再選を果たすと、県議会では謙虚な姿勢を示してきた。自身の疑惑や告発者の処分を巡る調査が大詰めを迎える中、どのような証言をするか注目されたが、失職前と変わらぬ様子で淡々と正当性を主張した。 【表でみる】疑惑告発文書問題をめぐる経過 午後3時ごろ、これまで2度の証人尋問のときと同じようなスーツにネクタイ姿で代理人弁護士とともに入室した斎藤氏。深々と一礼して着席し、約2時間半にわたって質問に応じた。 「懲戒処分に該当する非違行為が判明した以上、手続きに沿って処分するということが必然の流れだ」 百条委の調査の大きな焦点となっている告発者処分の是非。認識を問われると、表情を変えることなく従来の主張を繰り返した。文書に記載された疑惑の真偽を問われた際には、再三にわたり重要なポイントが事実と異なるなどと強調する場面もあった。 過去の尋問では、「道義的責任が何かわからない」という発言が問題視されたこともあるが、再選後は県議会と「信頼関係を構築していく」と融和路線を強調。最後の可能性もある今回の尋問には、「自分の意見をしっかり伝えさせていただく」と臨んだ。 一連の問題では、県が押収した公用パソコン内に保存されていた告発者の男性の私的情報が漏洩(ろうえい)した可能性が浮上している。 この日の尋問では、複数の委員の県議から漏洩に関して「刑事告発をするべきではないか」と問われ、斎藤氏は「弁護士などに客観的に調査をしてもらう必要がある」と回答。「県の名誉を著しく傷つけている。速やかな刑事告発が知事の責務ではないか」と迫られたが、「第三者委の準備を早急にしている。そこでしっかり調査をしていただいて、対応していきたい」と述べるにとどめた。 証人尋問終了後、報道陣の取材に応じた斎藤氏は「自分の考えや主張というものはしっかり述べさせていただいたと思う。県民の理解が得られるよう努力したつもりだ」と語った。
斎藤氏に先立ち、片山安孝元副知事の証人尋問もあった。片山氏は斎藤氏から、政治資金パーティー券を売るための名簿集めを依頼され、県OBとともに実際に名簿を集めたなどと明らかにした。