データで進化する野球の未来 アナリストが描く新たな可能性「野球界で働きたい人は今がチャンス」
「アナリストになりたい人はもちろん、野球の見識を広めたい人にも講座を受けに来てほしいですね。自分の見方や、メディアで報じられていることだけでは知れない、野球を見る上での引き出しが絶対に増えます。各分野の一線級の講師が来て、プロ野球のリアルな話を聞けるので勉強になるし、野球好きにはすごく楽しいと思います」(星川氏) 10代でアナリストを志す者のなかには、大学野球部で同担当を務めるケースも増えているが、20代以降で始めても決して遅くはない。星川氏がそうしてスタートさせた講座の第一期(2024年9~12月)に参加したひとりが、柴優希さんだ。 「野球経験はないけれど、高校生の頃からプロ野球を見るのが好きで、何かの形で携わりたいという夢をずっと持っていました」 柴さんは受講と並行して、11月中旬から沖縄で開催されたジャパンウインターリーグにアナリストのインターンシップとして全日程に参加した。 「試合中もベンチやブルペンに入り、ラプソードやブラストの計測を行ないました。外国人選手に『ブラストのこの数値はどれくらいいいの?』とか、フォークを投げる投手に『千賀(滉大/メッツ)選手だと、縦変化はどれくらいの数値ですか』などと聞かれました」 柴さんは講座で学んだ知見を沖縄で深め、今後は野球にデータから携わる仕事をしていきたいと考えている。 【過去の経験×データ活用】 一方で谷口雅之さんは、自分の強みを野球界で生かせる道があると講座を通じて知った。 自身も野球をプレーしていたことに加え、これまでゴルフ場での勤務やストレッチ専門店のトレーナーとして働いてきたこともあり、講座で紹介されたダートフィッシュという動作解析ソフトウェアにとりわけ興味を抱いた。 たとえば、ピッチングの1球目と5球目でメカニクスがどう変わったかを比較しやすいソフトで、谷口さんにとってこれまでの経験を生かせるからだ。 「講座を受ける前、終わった時に自分がどう進んでいくかを考えたいと思いました。過去の仕事を通じて自分の体の仕組みもわかっているので、今後は動作分析をするような方向に進みたいと考えています」