熱い演説〝無敗の男〟 中村衆院議員引退表明支持者 「寂しい」「時の流れ」
立憲民主党の中村喜四郎衆院議員(75)=比例北関東=が24日、正式に政界引退を表明した。当選15回を数え「無敗の男」とも呼ばれた中村氏に対し、後援会「喜友会」関係者や支持者らは「長年支えてきたが、これも時代の流れ」と温かく受け止め、これまでの労をねぎらった。 参議院議員を務めた父親、先代中村喜四郎氏の時代からの支持者という、茨城県坂東市の男性(81)は「若い時は演説を聞いて衝撃を受けた。選挙にも強いが、発する言葉も力強く、魅力的だった」と指摘。特筆すべきものとして、選挙時に地元周辺をバイクで走り回り、パフォーマンスたっぷりに熱く遊説する姿を挙げた。「喜友会ももう高齢となった。代議士が後継に譲るというのは時代の流れだと思う。長年支えてきて寂しいが仕方ない。ただこれほどの政治家は、もう茨城から出てこないのでは」と引退を惜しんだ。 同県境町に住む喜友会幹部の一人(74)は「周りから『そろそろ(後継に)譲ったらどうだ』という声が出ていたのは事実」と明かした。「建設相になって『茨城の星』『将来の総理候補』と言われながら、その後に底知れない苦境があった。そこからずっと心身ともにゆっくりする暇のない日々だったと、そばで見てきて思う。厳しい議員生活だった。今はねぎらいの気持ちだ」と思いやった。 喜友会で地域の支部長を務めた男性(72)は「喜四郎さんは決めたら実行する。立民に入った時もそうだが、私らに前もって言うことはないので今回も自身で決めたことだと思う。選挙で敗れて引退するよりは、今、退いた方がいい。報道で知っただけでまだ直接会ってないが、お疲れさまと言いたい」と決断を評価した。 茨城7区で中村氏と長年選挙戦を繰り広げてきた、永岡桂子衆院議員は「国のため、地域のために働いてきた先輩であり、これまでの活躍に敬意を表したい。選挙に関しては、相手が誰になろうと自分の全力を尽くすのみ」と話した。 ■日本、茨城に 多大な貢献 立民県連・青山代表 立憲民主党県連の青山大人代表は「私が生まれる前から長く国会議員をされている立派な方。日本、茨城に多大な貢献をされた」と、政界引退を決断した中村氏に敬意を表した。「(同じ時間軸で一緒に仕事ができ)大変勉強になった」と振り返った。
茨城新聞社