黒木華、大河で好演の倫子役に思い語る…まひろへの衝撃発言には「いつまで思うねん!」と本音も
女優の黒木華が、NHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜・後8時)で藤原道長の妻・倫子役を好演している。このほどスポーツ報知などの取材に、同役の魅力や、8日の放送回で放った主人公・まひろへの衝撃発言に対する本音を語った。(奥津 友希乃) 「源氏物語」の作者・紫式部/まひろ(吉高由里子)の半生を描く。黒木は大河ドラマ出演3作目で、16年「真田丸」では真田幸村となる信繁(堺雅人)の最初の妻・梅役、18年「西郷どん」では西郷隆盛となる吉之助(鈴木亮平)の三番目の妻・糸で出演。本作では、柄本佑演じる道長の正妻・倫子を演じている。 倫子の魅力を聞くと、伏し目がちに「う~ん…」と7秒ほど沈黙。倫子の人生に思いを馳(は)せるようにうなずきながら、「そうですね。内助の功といった存在だったと思うので、道長や自分の子への愛情、懐の深さが魅力だったと思う」と言葉を続けた。 位の高い源家の娘として育った倫子は、一目ぼれした道長と結ばれる。道長との間の娘・彰子(見上愛)が一条天皇(塩野瑛久)に入内し、のちに後一条天皇となる敦成親王を出産する。 時の権力者となった道長の正妻・倫子の生涯は、平安時代では勝ち組といえる。黒木もその一生を、「好きな男を手に入れ子どもを産み、子どもたちから帝も出て、その時代では大成功ですよね」と総括しながらも、「でも…。一番大事で手に入れられなかったものもある」と倫子の中にあるむなしさをこぼす。 「手に入らなかった」のは、本作で描かれ続けてきた夫・道長からの心からの愛情だ。道長は、まひろに思いを寄せ続けている。夫の思い人が自分ではないことに、倫子はいつから気づいていたのか―。 「(まひろに)たくさん贈り物しているところで怪しんだり、結構前からうっすら気づいてたはず。『浮かれちゃって』って。まあ、さみしかったとは思いますし、何とも言えない切なさもあるけど、まひろが(道長のために)してくれたこともあるのは事実だし」と、倫子のごとく毅然(きぜん)としたまなざしで語る。 この日、放送された第47回では久しぶりに対面したまひろに対し、ど直球に「あなたと殿はいつからなの?」と言い放つ。動揺するまひろを横目に「私が気づいていないとでも思っていた?」と不敵な笑みを見せた。 演じた黒木は、このシーンにはじめは共感しきれない部分もあったようで、「自分の中では終わっていることだと(=道長がまひろに思いを寄せていることは承知で、正妻として支える覚悟はとっくに決まっていると)思っていた。だって平安時代なんで。でもまだ思ってるから、『いつまで思うねん!』て感じましたけどね」と苦笑いする。 最終回直前のタイミングでなぜ、この衝撃発言を倫子は繰り出したのか―。黒木は「なんで今?って(苦笑)。分かんない…」と口をすぼめ、「でも、道長を支え続けていくために、自分では補いきれない何かがあると思ったから、まひろにそう言ったのは本音だと思う」。あくまで嫉妬心ではなく、妻としての献身からの発言と受け止めている。 常に凜とした態度で穏やかな笑顔をみせ、妖(あや)しい魅力を放ち続ける倫子。15日の最終回へ向けて「どんな見方をしてくださっている方にも、楽しんでいただける最終回に向かっている。倫子の生き様を最後まで見てくださったらうれしいです」と朗らかに呼びかけた。
報知新聞社