大谷翔平、ダルビッシュには3打数無安打も、逆境乗り越え野球集中のリーグ最多タイ25安打…担当記者が見た
◆米大リーグ ドジャース3―6パドレス(14日・米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム) 【写真】14日のパドレス戦の8回10打席ぶりのヒットを放つ大谷 ドジャース・大谷翔平投手(29)が14日(日本時間15日)、本拠地・パドレス戦に「2番・DH」でフル出場し、開幕戦以来2度目の対戦となったダルビッシュ有投手(37)には2三振を喫するなど3打数無安打に抑え込まれた。松井秀喜氏を超える日本人最多のメジャー通算176号はお預けとなった。それでもダル降板後の4打席目には10打席ぶりの安打を放ち4打数1安打。好調を維持する大谷を安藤宏太記者が見た。 第2ラウンドは完敗だった。初回無死二塁の第1打席で、大谷は内角低めのカットボールに手が出て空振り三振。その後もダルビッシュには三飛、空振り三振といいところなく3打数無安打。日米通じて初対戦だった3月20日の開幕戦(韓国・ソウル)では遊ゴロと右前安打だったが、多彩な球種に翻ろうされた。 2打席目は3ボールから空振りとファウルでフルカウントになり、6球目を三飛。ベンチへ戻る際、ダルから「ボールばっかりでごめんね…」と声をかけられた。大谷自身は試合後の対応はなかったが、ダルは「ちゃんと勝負できてなかった感じがしたので申し訳なかった。もっと気持ちよくストライクゾーンに行きたかった」と明かした。 大谷は開幕戦後に「何回もこれからやっていくので、また復習しながら」と、再戦を心待ちにしていたが、メジャー176号はお預け。左腕・ペラルタとの対戦だった4打席目には、初球を中前安打。約175キロのライナーで遊撃手のグラブをはじき、10打席ぶりの安打で意地を見せた。 どちらかというとスロースターターが、リーグ最多タイの25安打を放つなど、18試合を消化して打率3割3分8厘で、4本塁打、10打点。チームも貯金4の地区首位。大谷の願い通りのストーリーが進んでいる。 名門に籍を置き、これまでとは比べものにならない注目度。開幕直後には水原一平元通訳の解雇騒動も起きた。同時期に結婚発表もあり、人生最大級の節目が一気に来た。その中で結果を出すのは並大抵ではない。試合後のダルのコメントが多くを物語る。 「大谷君も結婚して肩の荷が下りたじゃないけど、隠さなくていいところが増えたと思う。すごく明るい感じもしますし、野球に集中して、笑顔で前向きにやっているのを見ると自分も元気になる」 試合前には右肘手術後9度目となるキャッチボールを行い、シーズン終盤を見据えて初めて外野用のグラブを使用した。試練を乗り越え、明るい未来へスタートダッシュを切っている。(安藤 宏太)
報知新聞社