4ヵ国の選手が達成もタイトル受賞者は意外にも2人だけ...大谷翔平が達成した「40-40」にまつわる6つのトリビア<SLUGGER>
大谷翔平(ドジャース)が現地8月23日のレイズ戦で史上6人目の「40-40」(40本塁打&40盗塁)を達成した。指折りのパワーとスピードを一握りの選手にしか到達できない領域に足を踏み入れたのは以下の6人だ。 【動画】ドジャー・スタジアム大熱狂!大谷翔平、劇的サヨナラ満塁弾で史上6人目の40-40達成 【40-40達成者】 1988年 ホゼ・カンセコ(アスレティックス)42本塁打&40盗塁 1996年 バリー・ボンズ(ジャイアンツ)42本塁打&40盗塁 1998年 アレックス・ロドリゲス(マリナーズ)42本塁打&46盗塁 2006年 アルフォンソ・ソリアーノ(ナショナルズ)46本塁打&41盗塁 2023年 ロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)41本塁打&73盗塁 2024年 大谷翔平(ドジャース)41本塁打&40盗塁 (※現地8月24日時点) その歴史的な偉業についてトリビアを紹介しよう。 ■達成者の出身地は色とりどり 史上初の40-40達成者であるカンセコはキューバ生まれで、生後1年もしない時期に家族とマイアミへ移住した。ボンズとA-RODは同じアメリカ出身でも前者はカリフォルニア州、後者はニューヨーク州で生まれ。ソリアーノはドミニカ共和国、アクーニャJr.はベネズエラ出身だ。ここに日本で生まれ育った大谷が加わり、6人しかいない達成者は4ヵ国の出身と国際色豊かな顔ぶれとなっている。 ■大谷はスピード記録を大幅更新 今回の大谷は126試合目で40ー40を達成し、これまで最速だったソリアーノの147試合を大きく更新。そのソリアーノは6人のうち最も速い122試合で40本塁打に到達した。一方、アクーニャJr.はわずか84試合で40盗塁を成功させ、最終的には前人未到の40-70にたどり着いた。対照的に、ボンズはシーズン160試合目で40個目の盗塁を記録。最終月の9月だけで15盗塁を荒稼ぎして大台に乗せた。 ■試合に出続けるタフさも重要 40-40達成にはずば抜けたパワーとスピードだけでなく、試合に出場し続ける耐久力も要求される。大谷を含めた全員が記録達成までに3試合以内しか休んでおらず、96年のA-RODはチームの全161試合でスタメンを張った。ちなみに、6人全員が主に1~3番に入り、A-RODとアクーニャJr.、それに今季の大谷はリーグ最多の打席数を記録。カンセコは2位、ソリアーノも5位。675打席でリーグ10位にも入らなかったボンズは例外と言える。 ■意外にもタイトル受賞者は2人だけ 実は、40-40を達成した年に個人タイトルを獲得した選手は多くない。88年のカンセコが本塁打王、アクーニャJr.が盗塁王を獲得しただけ。この2人はMVPも受賞したが、残る3人は無冠のまま終わった。また、カンセコとA-RODが薬物使用を認め、ボンズも限りなくクロに近いグレーとあって、殿堂入りした選手もまだいない。 ■「50-50」は言わずもがな「43-43」も前人未到 40-40達成者の中で、本塁打と盗塁を足して最も多い数字を残しているのは昨年のアクーニャJr.。前述の通り、史上初の40-70(41本塁打&73盗塁)を達成し、両方足すと113になる。一方、本塁打と盗塁をセットにした場合に最も高い数値を記録したのは98年のA-RODで42本塁打&46盗塁。夢の50-50達成にも期待がかかる大谷が、実は「43-43」に到達した時点で史上初の記録となる。 ■あと一方で大記録を逃した男たち 本塁打と盗塁、どちらかがあと1つ足りずに40-40を逃した選手は4人いる。1973年のボビー・ボンズ(ジャイアンツ)、2002年のブラディミール・ゲレーロ(エクスポズ)とソリアーノ(ヤンキース)、11年のマット・ケンプ(ドジャース)は全員が40盗塁を記録しながら、39本塁打にとどまり涙を呑んだ。また、1995年はストライキの影響でシーズン144試合制だったが、サミー・ソーサ(カブス)が36本塁打&34盗塁を記録し、通常通り162試合制だったら……と思わせる。 文●藤原彬 著者プロフィール ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。
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