イスラエル首相「ガザ人質返還に報奨金」 1人につき7億8000万円、世論は「停戦を」
【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのネタニヤフ首相は19日、パレスチナ自治区ガザ中部を視察し、イスラム原理主義組織ハマスに拘束されている人質の解放に協力した者には、人質1人につき500万ドル(約7億8000万円)の報奨金を支払うと述べた。イスラエル首相府が発表した。ガザには約100人の人質が残っているとみられている。 【写真】人質だった妻、娘2人と再会した男性 ネタニヤフ氏はまた、「ハマスはガザからいなくなる」と述べて戦闘を続ける意思を示唆した。イスラエルの最新の世論調査結果では、69%が戦闘継続よりハマスと停戦して人質を解放させる方が重要だと回答した。ネタニヤフ政権に参加する極右閣僚は、軍が一部を包囲して激しい攻撃を行っているガザ北部について「占領すべきだ」と主張している。 イスラエルのメディアは20日、ガザ北部の戦闘で軍兵士1人が死亡したとし、ハマスなどとの戦闘が始まった昨年10月以降の兵士の死者数は計800人に達したと伝えた。 一方、イスラエルと親イラン民兵組織ヒズボラの停戦を仲介するためレバノンを訪問した米国のホックスティーン特使は19日、戦闘終結の「現実的な機会」があると述べ、合意実現に期待を示した。 イスラエルのコーヘン・エネルギー相は19日、ヒズボラのイスラエル国境周辺からの撤収など、全ての要求が満たされなければ合意はしないとくぎを刺した。ホックスティーン氏はレバノン訪問終了後、イスラエルに向かうとみられる。