【急告】飲み会の常識が変わる。酒も酒以外も。飲めない人、飲まない人も飲める”スマドリ”最新事情
“飲み会”の常識が変わった!?
一番人気は、自家製レモネードとカルピス、ブルーベリーソースなどを組み合わせたフローズンカクテルの「マーブリングスノー」600円。「ビールやハイボール、ワインにある苦味が受けつけられない、甘いものを好む方が多い」ため、甘めのカクテルが中心だ。ビジュアルもかわいくなった結果もあるのか、ビジュアル優先で選ぶ客も多い。 5階はシックなブルー系の壁の落ち着いた空間。スマドリバーのブランドマネージャー、荒木真衣さんによると、「野菜や果物を煮込んで濾す、ミクソロジーという手法を使うカクテル」を出す。たとえばイチジク、ゴルゴンゾーラチーズ、レモンなどを加えた「地中海レガシー」1500円など。こちらは0%と3%のアルコール度数から選べる。 1・2・5階とも、20歳以上の大学生など飲めない人たちに試飲してもらいつつ、吟味しながらメニューを開発、「私は当時まだ担当ではなかったんですが、納得のいくドリンクにするため、相当の時間がかかったと聞いています」と荒木さんは話す。 1・2・5階とも料理やスイーツのメニューも豊富に用意しているので、利用の仕方は多彩だ。顧客の8割は想定通り20代女性だが、他の世代や男性も来る。飲める人が飲めない人を誘って来るケースを中心に、「1・2階は昼間、学生さんらしい女性たちがアフタヌーンティーを楽しんでいたり、夜は若手の同僚グループが予約し、飲み会を開くなどしています。上司と部下が連れ立って、あるいは夜パフェを楽しみに来る女性たちもいます」と、荒木さんは多様な客層に広がっていることを示す。
「スマドリバー」へは、何をしに?
「2人とも飲めないので、スマドリバーのような存在はありがたい」と話す男性客たちもいれば、「明日は仕事があるから、今日はアルコール度数3%にします」とバーテンダーに話しかける人もいる。「コラボという形で企業さんが持っている休憩スペースやカフェに、スマドリバーのバーテンダーが開発したノンアルコールドリンクを置かせていただくこともあります」と荒木さん。観光客が多い土地柄、センター街を歩きながら店を見つけた外国人がフラッと入って来るケースも多く、半分はインバウンド客だ。 渋谷などの中心繁華街は、家賃が高いせいか、気軽に入れるカフェ・喫茶店が少ない傾向がある。また、夜遅い時間になると食事できる店も減る。繁華街のど真ん中にあるスマドリバーは、平均客単価が比較的低い1・2階でも、1000~1500円と高め。酒が飲める人・飲めない人がどちらも気兼ねなく楽しめる場を提供するという目的だけでなく、繁華街で一息つきたい人たちの潜在需要も掘り起こしているようだ。 アサヒビールではすでに、2015年にチューハイのようなデザインのノンアルコールのカクテルテイスト缶飲料の「スタイルバランス」シリーズも出している。現在、酒販店などで売られる350ml缶が7種類、飲食店向けの業務用200ml缶が4種類ある。 酒やコーヒー、お茶などの嗜好品の飲み物を求める人たちは、必ずしものどを潤すだけが目的で手を伸ばすわけではない。酒も酔いたいだけが目的とは限らない。飲み物は、必ず飲む場という時間・空間を作り出す。アイルランドのパブやスペインのバル文化、ウィーンやパリのカフェ文化、イギリスのアフタヌーンティーなど、いずれも飲み物を中心に生まれた空間である。もちろん、日本の居酒屋やカフェ・喫茶店、バーもそうした空間である。