【急告】飲み会の常識が変わる。酒も酒以外も。飲めない人、飲まない人も飲める”スマドリ”最新事情
パーティーシーズン真っ只中。「お酒は飲みたいけれど、弱いので飲める人がうらやましい」「お酒が苦手なので、飲み会はちょっと憂鬱」「つい飲み過ぎるので自制したい」といった悩みを持つ人に朗報がある。近年、酒ともいわゆるソフトドリンクとも異なる、ノンアルコールドリンク(ノンアル)の世界が広がってきているのだ。 【写真】次に来る「M9巨大地震・危険度マップ」とトルコ・シリア地震の状況
ノンアル市場が拡大中
その登場は2009年。キリンが世界初のノンアルビール「キリンフリー」を出し、大手他社が追随。ワインやハイボール、チューハイ、梅酒など多様なノンアルドリンクが売られるようになった。つまり、ノンアルドリンクとは、ジュースやお茶とは別物で、酒からアルコール分を抜いた飲み物と言える。 また、2016年に大阪・心斎橋にノンアルのカクテル「モクテル」を出すバー「グリーンスポット」が開業したのを始め、関西や東京などでノンアルに力を入れるバーが次々に登場。ノンアルドリンクの選択肢を増やすホテルや飲食店、料理1皿ごとに飲み物を替えるペアリングの選択肢に、ノンアルドリンクを入れる店も出てきた。サントリーの調査によれば、2022年のノンアル市場規模は、10年前の約1.4倍にも拡大している。 欧米では2019年、イギリスのジャーナリスト、ルビー・ウォリントンが打ち出した、あえて飲まない「ソーバーキュリアス」という文化がZ世代を中心に広がっている。生産性を高めるタイパ意識や健康意識の高まり、個人主義化が背景にある。 一方、「酔っ払い天国」と揶揄されることもあるほど飲酒が活発な日本には、それらの要因に加え独自の事情もあるようだ。それはどういうことなのか? ノンアルコールを含めた自由な飲み方を「スマートドリンキング」略して「スマドリ」と提唱する、スマドリ株式会社が開く渋谷センター街の「スマドリバー渋谷」で話を聞いた。
「スマートドリンキング」「スマドリ」とは
「スマドリバー渋谷」の開業は2022年6月末。きっかけはアサヒビールが2021年に行った調査で、約9千万人いる成人のうち、半数以上の5千万人が実は飲まない事実に気づいたことだ。そこで翌年、同社と電通デジタルが合弁で、飲まない人をターゲットにしたマーケティング会社、スマドリ株式会社を立ち上げた。 出口調査をするうち、アルコールには弱いが「バーに行ってみたい」「バーベキューのとき、皆はアルコール缶を持っているのに、自分だけソフトドリンクのペットボトルで乾杯するので、飲む場の輪に入っていけない感覚がある」「飲食店で、ストローがついたソフトドリンクではなく、大人らしいカクテルを注文してみたい」など、飲酒に憧れを抱く人が多いことが分かったのだ。 スマドリバー渋谷は、ターゲットの中心を20~40歳のMZ世代のあまり飲めない人・飲まない人に定め、1階はサクッと飲んで帰るタイパ重視の人たち向けにスタンディングバーにし、2階はソファ席やイス席を用意した。アルコール度数0%、0.5%、3%の3タイプから選べるドリンクが、合計100種類以上揃う。