「性的少数者に理解を」、山口レインボープライドがパレード【山口】
性的少数者LGBTQ+の認知度向上を図るイベント「山口レインボープライド」は6月29日、山口市中園町の中央公園を拠点に開かれた。360人の当事者とアライと呼ばれる支援者が「性と生の多様性」を祝福し、周辺をパレードした。同実行委員会(田中愛生委員長)主催。 性的少数者への理解を促し、アライを増やそうと昨年に続いて2度目の開催。昨年のパレードは、性的少数者のカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」が市で導入される契機となった。キャッチフレーズに「これが私のふるさとだ、みんなちがって、みんないい」を掲げ、多様性を尊重し、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を呼び掛けた。 イベントは県内19市町が後援。パレード前には伊藤和貴市長、村上満典市議会副議長、藤本孝治教育長も応援に駆け付けた。 虹色の旗を持ち、スカート、着物など自分を表現できる衣装に身を包んだ当事者とアライが同公園を発着点に周辺3㌔を笑顔で歩いた。「ハッピープライド」と声を発し、歩行者や運転者にアピールしていた。 田中委員長(34)は自身もゲイの当事者。「県内自治体でパートナーシップ宣誓制度の制定が進み、理解は広がっていると感じる。一度きりの人生でパートナーを見つけて幸せになれる権利があることを訴えていきたい」と話した。 参加者は昨年の200人を大きく上回った。このうち体は男性、意識は女性のトランスジェンダー当事者は、2年前に家族にカミングアウトした。30年以上、自分らしく生きられずに苦しんできたという。「手を振り返してくれる人がいて、すごく楽しかった。理解してくれない人もいることは受け止めているが、いつか分かってもらえるよう努力していきたい」と話していた。 4月から施行された市パートナーシップ宣誓制度はこれまで3組が利用。9月からは県が同様の制度を導入する。