繰上げ受給の手続きをしましたがまだ口座に振り込まれていません。今から繰上げ受給を取り消してもいいでしょうか?
年金の繰上げ受給をしようと手続きしたものの、やっぱり取り消したくなったという人もいるでしょう。年金の繰上げ受給は一度手続きをしてしまうと、たとえ口座振り込み前であっても取り消しや変更はできません。 本記事では、年金の繰上げ受給とはどのようなものか、いくら減額されるのかについて解説します。繰上げ受給の手続きをすると影響が出る点にも触れているため、繰上げ受給を考えている人は参考にしてください。
年金の繰上げ受給について
老齢年金は、原則65歳から受給できます。一方で、もっと早い段階で年金を受け取りたいと考える人もいます。その場合、「繰上げ受給」をすれば、最大60歳まで1ヶ月単位で繰上げできます。一方、66歳以降最大75歳までに1ヶ月単位で年金受給を遅らせる「繰下げ受給」もあります。 本項では繰上げ受給をする際、申請後に取り下げできるのか、どれくらい受取額が減るのかについて解説します。 ■繰上げ受給の開始時期 繰上げ受給は、手続きをした時点で受給権が発生し、生涯にわたる年金額が決まります。つまり、年金が振り込まれていない段階であっても取り消しや変更はできません。 年金が支給されるのは、繰上げ請求した日の翌月分からです。繰上げ受給をする際は年金事務所等で試算してもらい納得してから、慎重に手続きをしましょう。 ■繰上げによる減額率 繰上げ受給をすると、年金受給額は減額されます。昭和37年4月2日以降生まれの人であれば減額率は月あたり0.4%で、【繰上げた月数×0.4%】で算出できます。ここで算出した月額が生涯受け取れる年金額となり、その減額率は一生変わりません。 実際に、満額受給できる人が年金受給を60歳0ヶ月で繰上げた場合の受給額を見ていきましょう。令和6年度で受け取れる年金の満額は、月額6万8000円です。減額されるのは、繰上げた月数60月×0.4%=24%であるため、受取額は月5万1680円となります。つまり、毎月1万6320円の減額となります。 なお、昭和37年4月1日以前生まれの方の場合、1ヶ月あたりの減額率は0.5%です。