繰上げ受給の手続きをしましたがまだ口座に振り込まれていません。今から繰上げ受給を取り消してもいいでしょうか?
年金の繰上げ受給による注意点
繰上げ受給は年金を早い段階で受け取れるメリットがあるものの、受給額の減額以外にもさまざまなデメリットがあります。本項では、繰上げ受給をすることで受ける影響を2つ解説します。繰上げ受給は、一度手続きしてしまうと取り消すことはできません。ほかのデメリットも知ったうえで、繰上げ受給をするかどうかを判断しましょう。 ■任意加入や追納できなくなる 繰上げ請求をした後は、国民年金に任意加入したり、年金保険料を免除・猶予されていた期間の追納ができなくなったりします。国民年金の任意加入や追納は、年金受給額を増やせるなどのメリットがあるため、繰上げ受給手続きの前にしておきましょう。 ■ほかの年金への影響がある 老齢年金の繰上げ受給は、ほかの年金への影響があります。以下で見ていきましょう。 ●共済組合や厚生年金基金からの年金も減額となる場合がある ●65歳になるまで、遺族厚生年金や遺族共済年金などの年金と合わせて受給できない ●障害年金の請求ができない ●国民年金の寡婦年金は支給されない ●老齢厚生年金の繰上げをした場合、特例措置を受けられなくなる ●すでに老齢厚生年金や退職共済年金を受給中に繰上げ請求すると、定額部分の支給がある場合は定額部分が支給停止となる ●65歳になるまでの間に雇用保険の基本手当や高年齢雇用継続給付を受給する場合などは、老齢厚生年金が支給停止になるおそれがある(老齢基礎年金は停止されない) これらの影響を踏まえて、繰上げ受給をするか検討しましょう。
繰上げ受給は手続き後の取り消しはできない。年金受給は慎重に!
繰上げ受給は、手続きした段階で受給権が発生します。受給権の取り下げや変更はできず、将来の年金受給額も確定してしまうため、手続きは慎重に行いましょう。 受給額以外にも、繰上げ受給による影響はさまざまあります。国民年金の任意加入や追納ができないほか、障害年金・遺族年金などほかの年金も影響を受けます。繰上げ受給をするかどうか、さまざまな状況を踏まえて決めましょう。 出典 日本年金機構 65歳前に年金を繰り上げて受け取りたいとき 日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について 日本年金機構 年金の繰上げ受給 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部