「ディプティック」が没入型の新店舗をパリとロンドンでオープン カルチャーイベントやカスタムサービスを用意
1階には大理石の暖炉やオーク材の棚、大きなアームチェア、豪華なウールのカーペットなどで飾った居心地の良い家のような空間が広がる。香水のライブラリーにはパーソナルフレグランスの全商品を並べ、アール・デコ調のバスルームにはバス&ボディー商品を展示する。また別のコーナーでは、ブランドのサステナビリティへのコミットメントを表現する。「ディプティック」は15種の香りの固形香水やキャンドル、家庭用または車用ディフューザーの詰め替えサービスを提供。フレグランスの使用済みボトルやキャンドルのガラス容器も回収し、リサイクルしている。ボトルの修理も実装予定だ。
さらに、200通り以上の組み合わせから選べるキャンドルのカスタマイズのほか、香水の専門家による1時間のパーソナル・コンサルティングなど多様なサービスを用意する。新コンセプトの店舗は、2029年までに幾つかの都市でオープン予定。セミション=シニア・バイス・プレジデントは、上海とニューヨークを次の候補地に挙げている。
「ディプティック」は、56カ国で1200の販売拠点を持つ。その中で、現在123ある標準的な独立型店舗を通じて小売拠点を拡大し続けるという。3月にロンドンのメリルボーン地区、4月にミラノで店舗をオープンし、夏の間にマドリード、9月にボストンなどでもオープン予定だ。6月にはインド市場に進出し、初の旗艦店をオープンする。
セミション=シニア・バイス・プレジデントは、特に新規顧客の獲得に関わる卸売りの重要性を強調し、小売のみの流通チャネルにとらわれるつもりはないという。同氏によると、日本市場も大きなポテンシャルがあり好調。親会社マンザニータ・キャピタル(MANZANITA CAPITAL)の2023年の売上高は前年比19%増の4億7200万ドル(約726億8800万円)だった。