【競馬予想】マイルCSでは新勢力の台頭を期待 馬券的に妙味があるのは末脚自慢の上り馬
ただ、京都・外回りコース特有の難しさは、懸念材料となります。「安田記念とマイルCSの双方で勝利するのは難しい」と言われるのは、コース設定がまったく異なるからです。京都の外回りコースは3~4コーナーにかけて起伏があり、日本の馬でも得意、不得意が分かれるコース。こうした特徴的なコースを、外国の馬が即座に対応できるかどうかは未知数と言えるでしょう。 ――出走各馬にとって、京都・外回りコースの対応がひとつのカギになりそうですが、ほかに勝敗を左右するポイントはありますか。 大西 今の京都・芝コースは、先週のエリザベス女王杯でもわかるとおり、全体的に馬場の傷みが目立つ状態です。それでも、時計自体は速い決着となっています。実際、エリザベス女王杯では過去10年で2番目に速い勝ちタイムが計測されました。 とはいえ、馬場の内側はかなり傷んでいるようで、最後の直線では距離損なく内を突くよりも、4コーナーをスムーズに回って外目を選んだほうが鋭い脚を使えている印象。枠順的には、真ん中から外の枠に入ったほうが戦いやすいかもしれませんね。 ――こうした状況を踏まえて、気になる穴馬はいますか。 大西 前走で初の重賞制覇を決めた上がり馬、ジュンブロッサム(牡5歳)が面白そう。東京、京都、双方のマイル戦で勝利経験があり、コース適性は問題ありません。2、3歳時には東京と新潟のレースでレコードタイムを記録しており、速い馬場への適応も実証されています。 脚質は追い込み一辺倒ですが、外差しが決まりやすい今の京都コースなら、この馬の末脚が炸裂する可能性は大いにあります。イメージとしては、昨年のレースを制したナミュールのような立ち回りでしょうか。 鞍上の戸崎圭太騎手は通常、早仕掛けを避けて慎重な騎乗が多いですが、この馬ならばそのスタイルが合っていると感じます。重賞1勝という実績にすぎませんが、末脚のキレ味はGI馬相手でもそん色はありません。 この舞台では、ジュンブロッサムの武器が最大限に引き出されることを期待して、同馬を今回の「ヒモ穴」に指名したいと思います。
武藤大作●取材・構成 text by Mutoh Daisaku