新NISAの「長期つみたて投資」戦略…どんなに価格が上がっても、下がっても「絶対売却してはダメ」なワケ
新NISA制度は、非課税保有期間が無期限、年間投資枠が360万円、非課税保有限度額が1,800万円といったメリットが満載ですが、投資に慣れていない初心者の方は、迷う点も多いのではないでしょうか。本記事では、新NISAの活用に必要な基礎知識を、投資に詳しい公認会計士で税理士の岸田康雄氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
商品と投資金額、どうやって決めればいいの?
いよいよスタートした新NISA制度。これを機会に初めて投資デビューするという方も多いでしょう。しかしその一方で、どのような商品を選び、どれだけの金額を投資すればよいのかが悩みどころではないでしょうか。 現状では、テレビや雑誌、ウェブ媒体にもさまざまな情報があふれており、目移りしてしまいます。しかし筆者は、全世界株式を対象とするインデックス・ファンドをお勧めします。なぜなら、この商品で運用すれば、最も効率的にお金を増やすことができると考えるからです。 投資すべき金額は、投資される方の年代によって変わりますが、もし手元に余っている資金があるのなら、その全額を投資すればいいでしょう。毎月の収入の一部を投資にまわす場合は、無理のない金額を設定し、毎月同額をコツコツと投資し続けることをお勧めします。 注意していただきたいのが「投資初心者にありがちな失敗」です。しばしば見られるのが、「価格が下がったため、短期で売却してしまう」そして「価格が上がったため、短期売却してしまう」ことです。 損切りや利益確定を焦る気持ちもわかりますが、すぐに売却しては、長期分散投資による資産形成は望めないのです。
新NISA、預貯金や一般的な株式投資とどこが違う?
新しいNISAは、銀行預金や一般の株式投資と比較して、どのような違いやメリットがあるのでしょうか? 最も大きな違いは「配当や値上がりなどの利益が出て儲かっても、税金を支払わなくてよい」という特典がある点です。 資産運用における「利益」は、時間の経過とともに発生します。節税効果もまた同様です。長く運用するほど利益が大きくなり、節税額も大きくなります。 このような特徴から、NISAは老後資金を形成するために最適な制度だといえます。