上原の選手寿命が延びる? レ軍が超科学的手法を導入
2年ぶりにワールドシリーズの王座奪回を狙うレッドソックスが、米国フロリダ州フォートマイアーズで行われている春季キャンプで、超高性能活動量計「Zephyr」(ゼファー)を導入した。 一般でもフィットネス愛好家の間で人気の活動量計といえば、ナイキ社が発売したリストバンド型の「FuelBand」が有名だが、この「Zephyr」は、トップアスリートを対象とした超高性能版の最先端ウエアラブル・フィットネス・トラッカーと捉えていい。 キャンプ初日、クラブハウスでは選手個々のロッカーに「Zephyr」の装置が心臓部分に縫い込まれている黒いアンダーシャツが用意されていた。選手は練習中そのシャツを着用し、最初の全体練習のウオームアップから、グループ分けで行う各メニュー、最後のコンディショニングまでのデータがコンピューターに送られる。脈拍から心拍数、体温、血圧、消費カロリーなどが記録され、選手のフィットネスが立ちどころに分かる仕組みになっているという。 2013年のワールドシリーズチャンピオンながら、2014年は開幕から一進一退を繰り返し、本格的な夏場を迎えるとズルズルと最下位に沈んだレッドソックスは、選手のコンディショニングにも課題を残した。 一方、長い低迷期を経て2013年に21年ぶりにプレーオフ進出、昨年もジャイアンツに敗れたもののワイルドカードでプレーオフに駒を進めたピッツバーグ・パイレーツが、先駆けて導入していたのが、この「Zephyr」だ。 トーリ・ロブロ、ベンチコーチは言う。「選手のフィットネスをデータとして管理できる。持久力やリカバリー能力、カロリー消費などが一目で分かる。体重過多の選手に1日の消費カロリーを把握させる一方、食欲が落ちる選手には最低何カロリーが必要か教えることができる」 また、練習の全行程をモニターするので、技術に直接関わるフィットネスを管理できるのも魅力だ。例えば、スイングの度に心拍数が上がりすぎる選手は、時に打席を外して深呼吸することをアドバイスしたり、走者を背負うとカッカとしてしまう投手にも、間を置くなどの対処法を指示したりするという。医療科学データをもとに、最高のパフォーマンスを行うためのコンディショニングづくりに役立つという。