上原の選手寿命が延びる? レ軍が超科学的手法を導入
逆にトレーニングを怠ったり、年齢による衰えが現れたりすれば、傍目に分かるより早くデータが物語ることにもなる。オフの間も球団からトレーニングメニューを手渡されている若手などは、サボればデータが“お見通し”ということにもなる。一部関係者の間では、「もうこれで、ごまかしは効かないね(苦笑)」という話も出ている。 「逆に、40歳を迎えようとしているのに、コージ(上原浩治)なんかは、実際の年齢よりずっと若いフィットネスだということも、わかるだろう」とロブロコーチは興味深いことを付け加えた。 昨年オフ、レッドソックスは、39歳の上原浩治と2年総額1800万ドル(約21億円)の契約を締結した。この契約はきわめて異例だ。現在のメジャー市場では40歳を過ぎたベテランに対しての評価は厳しい状況となっていて、実績で申し分のないイチローでさえ、移籍先を探すのは決して容易ではなく、マーリンズとは、年俸200万ドル(約2億3000万円)での単年契約。そんな中、レッドソックスが39歳の上原と複数年契約を結んだのは、球団が上原の実際の年齢だけでなく、徹底した自己管理でフィットネスを保っていることを評価したからとも言えるだろう。 「Zephyr」の導入によって球団側は、科学的データに基づいた“フィットネス年齢”を査定することができ、選手側も年齢よりはるかに若い肉体を保持していることを証明できる。またベテランが、コンディションを維持して、選手寿命を延ばすための手助けにもなるだろう。本物だけが生き残る、という意味で、今回、レッドソックスに加えパイレーツも導入した動きは、ベテラン・アスリートに好ましい流れなのかもしれない。