「新・青春18きっぷ」は本当に“改悪”? “元が取れる移動”はどれくらいなのか 「オプション券」も本領発揮!?
「オプション券」が本領発揮!? 青函トンネル越えがラクに
これまで「青春18きっぷ」の難所とされていた青函トンネル越えには改善がなされています。「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」の制度変更です。 従来の「オプション券」は、奥津軽いまべつ~木古内間の北海道新幹線と道南いさりび鉄道に乗車できて2490円でしたが、新幹線の乗車可能区間が「新青森~木古内」に拡大され、道南いさりび鉄道の乗車もできて4500円になりました。 これまでは奥津軽いまべつ・木古内の両駅に停車する新幹線が下り6本、上り7本しかないうえに、奥津軽いまべつとの乗り換え駅であるJR津軽線の津軽二股駅へは、2022年の豪雨災害により蟹田~三厩間の代行バスを利用しなければならない状況です。オプション券が新青森~木古内間となったことで、かなりの時間短縮が図られます。 これにより、リニューアル前では不可能だった「青春18きっぷ」1日分とオプション券での“東京駅発・その日のうちの北海道上陸”が可能となりました。
それでもやはり、寂しさも残るリニューアル
そして新しい「青春18きっぷ」は自動改札を利用することができるようになりました。有人改札できっぷに日付スタンプを押してもらう必要がなくなったことで、スムーズに利用を開始できそうです。 一方で、駅名入りの日付印や手書きの日付記入、途中下車印を押してもらう必要もなくなってしまうことは、「青春18きっぷ」のひとつの風情や味がなくなってしまう寂しさも感じます。 きっぷのサービスが大幅にリニューアルした「青春18きっぷ」。使いづらくなった一面はありつつも、普通にきっぷを買うよりも断然お得であることに変わりはありません。新しいルールを実感することも含め、まずはこの冬「青春18きっぷ(3日間用)」を使って“JR普通列車1万円乗り放題”の旅に出かけてみるのもいいかもしれません。
真柄智充(鉄道や旅の編集者)