米、新大統領の政策次第で「新たなリスク出る」 経済リスク低減も、日銀の植田総裁が警戒
日銀の植田和男総裁は31日の金融政策決定会合後の記者会見で、米国経済について、「夏場にあったダウンサイズ(下振れ)リスクは低減してきている」との認識を示した。ただ、11月5日の米大統領選後の新しい大統領の政策次第では、「新たなリスクが出てくる」と述べ、そうしたリスクが表面化してきた場合には各会合で点検すると説明した。 【グラフィックでみる】トランプ氏が当選した場合に懸念される、日本の企業活動への影響 また、米国経済の下振れリスクが低減したことで、これまで経済や物価情勢の見極めなどについて「時間的余裕がある」としてきた表現を今後は使わないと説明。その理由について、「現状は(米国経済の統計)データが少しずつ改善し、この1カ月はかなり良い結果が続いている」と強調。その上で、「米国経済に関するある種のリスクに特に注目することはやめ、普通の金融政策決定のやり方に戻す。毎回毎回、データと情報を点検して(政策を)判断していくことになる」と述べた。 植田氏は8月以降、6~8月の米国経済の弱さを示すデータや不安定な市場環境などが日本経済に与えるリスクを見極めるために「時間的な余裕を持ってみていく」という表現を用いていた。