新婚初夜から始まった、妻の地獄...。愛より肩書きで選んだ“高スペック医師”との夫婦生活の苦痛
「27歳は女の最高値。今以上の男は現れない」
美保さんの元夫は非常にマメなタイプで、現に悪い人ではなかったよう。また当時、美保さんの周囲では「20代のうちに結婚すべき」という風潮が強く、彼女自身もそう思っていたことで、周りに流されるような形で付き合うことになったそう。 「大きな不満はないものの、でも付き合い始めてもやっぱり好きにはなれませんでした。まず、実は外見がタイプじゃなかった。元夫は大柄で野生味のある体育会系で、基本的に明るい性格なのはいいんですが、少し空気の読めないところがありました。大勢の場になると人をいじるような所も苦手で、私がヒヤヒヤすることがよくありました」 恋人や結婚相手として条件は良くても、「どうしてもしっくりこない」男女の相性はよくあるもの。その場合、普通は自然と破局に向かうかと思いますが、ではなぜ、美保さんは結婚にまで踏み切ってしまったのでしょうか。 「特に父親が元夫を気に入ってしまったんです。何度か別れようとしたんですが、『美保に彼以上の男はもう現れない』『彼を逃したら一生結婚できないよ』と事あるごとに言われ続け……。 そのうえ父親と元夫が楽しそうに会話をしている姿をしょっちゅう見ていたので、気まずくて別れられないまま時間が過ぎてしまいました」 ちなみに美保さんのお父様は、地元で代々続く家業の経営者。 おかげで美保さんは不自由ない家庭で育ったそうですが、そのぶん家庭内でお父様の発言には力があったようです。そして、優秀な医師の元夫を家族に迎えたいという打算的な気持ちもあっただろうと美保さんは言います。 「しばらくして元夫からプロポーズをされたときに、咄嗟に『無理』と思いました。遠距離で週末だけ会うならまだしも、彼と2人きりで24時間暮らすなんて絶対に嫌で……。断るならもう今しかチャンスはない。ついに父親に別れる報告をすると決めたのですが……」 すると美保さんとお父様は、数時間にも及ぶ本気の話し合いをすることになりました。 「父親いわく、当時27歳の私の年齢は、女としての市場価値の最高値。1歳でも歳を取れば、もう今以上の男は絶対にお前を選ばない。お前の価値はこれから下がる一方で、嫁にもらってくれる男は年々半分以下に減っていくんだ、と半ば脅しのように言われました」
山本 理沙