マイホームを4000万円「35年」の住宅ローンで購入予定です。“変動金利”のほうが安いと思っていたのですが、これから「利上げ」されるなら“固定金利”で借りるほうがお得ですか?
変動金利と固定金利の返済額の差
続いて、変動金利と固定金利の返済額について解説します。 例えば、4000万円を35年の住宅ローンで借りる場合、2024年9月時点での一般的な金利で計算すると、月々の返済額は次のようになります。 変動金利(0.5%の場合):毎月の返済額は約10万3000円 10年固定金利(1.5%の場合): 毎月の返済額は約12万2000円 この時、返済額の差は月々約1万9000円、年間では約22万8000円になります。 これが35年間続いた場合、どれほどの差になるのか、計算してみます。 35年間の返済額の差:約22万8000円×35年間=約798万円 約798万円もの差が出ます。実際には変動金利は年2回見直しが行われるため、単純にこのような返済額の差にはならないことが予想されますが、1%の金利差であっても35年間で見ると798万円という大きな差になることが分かります。 なお、この固定金利の試算は「10年固定金利」で計算しているため、最初の10年間は金利が変わりませんが、10年後には変わる可能性があることにも注意が必要です。当然ですが、固定金利が上がれば返済額の差は今回の試算よりも小さくなります。
変動金利と固定金利、どちらを選ぶべき?
変動金利、固定金利の特徴を踏まえ、どちらを選択するかを検討する必要があります。 変動金利だと当初は低金利でも、途中で金利が上がる可能性があります。ローン返済中に収入が増える見通しがある場合は、最初の返済額が低く設定される変動金利を選ぶことも一つの方法です。例えば、昇進や転職によって収入が増える予定があるなら、後に金利が上がっても、収入増によって対応できるでしょう。 反対に、収入の増加が見込めない場合は、固定金利を選んで返済額を安定させるほうが安心ともいえます。 また、金利には、全期間固定や変動の他に、途中で金利が変わる「固定金利期間選択型」という選択肢もあります。例えば、最初の10年間は固定金利、その後は変動金利に切り替わるといったプランです。 これなら、最初の10年間は金利が変わらないため安心して返済でき、その後は市場の金利に合わせて調整が可能です。将来のライフプランや収入に合わせて、こうした柔軟な金利タイプを検討するのもいいでしょう。
まとめ
マイナス金利の解除により変動金利の上昇を心配する人もいるでしょう。しかし、金利の予測は非常に難しく、将来の金利動向は誰にも分からないのです。そもそも、収入や家族構成、年齢、性格など、人によって最適な金利タイプの選択は異なります。 借り入れをスタートする時点で完璧な答えを見つけるよりも、状況に合わせて借り換えや繰り上げ返済を考えるなど、柔軟に対応することで、自身にとっての最適解を見つけていけたらいいですね。 出典 日本銀行 金融政策の枠組みの見直しについて 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部