W杯決勝前にドーピング陽性だと知ったゴメス「なぜそのシロップを飲んだのか…」
元アルゼンチン代表MFアレハンドロ・ゴメスことパプ・ゴメスがドーピング検査で陽性だと知った日の詳細を語った。『RELVO』が伝えた。 2022FIFAカタールワールドカップ(W杯)ではアルゼンチン代表の優勝に貢献したゴメスだったが、2022年10月に行われたドーピング検査で不合格だったことが判明した。同選手は2023年10月20日にFIFA(国際サッカー連盟)から2年間のスポーツ活動の資格剥奪処分を通告されてしまい、昨季加入したモンツァとの契約が終了した現在は無所属となっている。 「なぜそのシロップを飲んだのか…。あるいは、咳止めシロップを服用したことを医師に伝えるのを忘れていたんだ。私はいつも物事には理由があると言っている。『ワールドカップで優勝したら、もうサッカーはしない』と冗談めかして言っていたが、ワールドカップで優勝し、さらに数か月間プレーした後に出場停止になった。自分が望んでいるものには細心の注意を払うべきだ。人生で起こることはあらゆる方法で自分に返ってくる」とドーピング検査で陽性のきっかけとなった出来事を悔やんだ。 ゴメスのもとに陽性の結果が届いたのは、なんとカタールW杯の決勝前だったという。 「ドーピング事件は、大きなケガを除いてアスリートに起こり得る最悪の出来事の一つだと思う。僕の場合はW杯決勝戦というキャリア最高の瞬間を過ごしているとき、CELAD(スペインアンチドーピング機関)からのメールを開いてを目にしたんだ」 「そこに届いていたメールには、『アレハンドロ・ゴメス、CELAD、アンチドーピング、陽性、テルブタリン』と書かれていた。何も分からなかった。医師に『テルブタリン』とは何だったのか尋ねると、通常は咳止めシロップに入っていると言われた。すぐ妻に、家にこの物質を含む咳止めシロップがないか聞いた。そしたらフルトックスという咳止めシロップがあって、僕は子どものシロップを飲んでしまったことに気づいたんだ」 決勝戦でフランスに勝利した後も、タイトルを獲得できたといううれしさの一方で、この先どうなるのか分からない虚しさがあったという。 「彼ら(CELAD)が僕をすぐに停職処分にするのか、それとも1週間後に停職処分にするのかは分からなかった。スカローニは2、3か月ごとに電話をくれて、すべてがどうなっているのか、何かニュースがあるかどうかを尋ねてくれた。彼はいつも僕の近くにいて、いつも心配してくれていたね」と、アルゼンチン代表を世界王者に導いたリオネル・スカローニ監督のサポートも明かした。