谷尻誠らが解説!虫を避ける、メンテンナンスを楽にできるなど快適な庭づくりのための心得は?
せっかく庭があるのに庭仕事やメインテナンスが億劫で、十分に庭を活用できていない人も多いのでは?そこで、素敵な庭を手掛ける建築家&造園家7人に、庭を楽しむために知っておきたいことを聞きました。庭仕事の実用的なテクニックから庭をもつ際の心得まで、さまざまな意見が寄せられました。 【写真で見る】建築家&造園家による「庭の楽しみ方」最適解
1 虫対策など庭で快適に過ごすためのアドバイスがあれば知りたいです。
「木を植えれば虫や病気はついてきます。症状の対応策を知ること、そしてホームセンターにも効果的な有機の薬もたくさんありますので、あまり神経質になりすぎないように」(造園家・荻野寿也さん)、「植物に虫はつきもの。樹木に寄ってくる蝶やミツバチの様子を通して人間に新しい気づきをもたらしてくれることが庭の醍醐味です」(建築家・前田圭介さん)というように、基本的には植物を楽しむことと虫はセットのようです。 「ハーブなどあまり虫を寄せ付けない植物を植える。料理にも使えます」(建築家・小川博央さん)、「ミント、ゼラニウム、ローズマリー、レモンユーカリなど、忌避作用のある成分のハーブや植物を植える」(建築家・高取愛子さん)など、自然の力を利用するのもおすすめとのこと。
2 夜の庭の楽しみ方、効果的なライトアップの仕方を教えてください。
近年の猛暑を考慮すると、暑い時期は夕方以降のほうが使いやすいでしょう。その際、気になるのが照明計画。 「シーンコントローラーの導入がおすすめ。あらかじめいくつかシーンを設定しておけば負担なくナイトガーデンを楽しめます」(建築家・松山将勝さん)、「照明で植栽を演出する際は光を下から上に当てるように設置すると効果的」(建築家・小川博央さん)、「別荘の場合、手前の樹木と遠くの樹木をライトアップし、広さと奥行き感を出しています」(建築家・高橋昌宏さん)。 一方、「月の光を楽しんでください」(建築家・谷尻誠さん)というアドバイスも。自然の闇と光を楽しむのもよいですね。
3 庭仕事をラクにするコツ、アイテムはありますか?
「共働きのご家庭には自動散水設備をおすすめします。小さい子供のいるご家庭なら水遊びにも使えます」(造園家・荻野寿也さん)など、多くの建築家が導入しているのが自動散水設備です。 また、負担感から敬遠されていた芝生も変化が見られるのだとか。「自動芝刈り機の価格が下がって導入しやすくなりましたので、芝生を採用する方も増えました」(造園家・荻野寿也さん)。 とはいえ、基本は「庭仕事を楽しむことが大事」という意見が多くみられました。「庭は竣工時がスタート。ライフスタイルに応じて好きな草花を加えながら愛着を育むものだと思います」(建築家・前田圭介さん)、「雑草の手入れは大変ですが、最も庭の魅力を感じられるときでもあります。雑草でもかわいらしい花を咲かせる植物もありますので、意外な楽しみも含めて庭仕事を楽しんでほしいと思います」(造園家・荻野寿也さん)。