立浪「中日」はいつまで「中田翔」頼みを続けるのか? 打線は日替わり状態で「クリーンアップに悪影響」の声も
ここぞという場面で見せる集中力
もっとも、28日の第3戦は延長戦に突入しており、同点に追いつく3点目は中田のバットから生まれている。 「3対1で迎えた9回表、1点を挙げ、一死一・三塁。マウンドにはトラの守護神・岩崎優(33)。こういう場面で打席に立つ時の中田は、バッテリーがどんな配球で攻めてくるかを読み取る抜群のセンスがあるんです。試合終盤の、それも一打同点という場面で見せる集中力は超一流で、しかも、相手投手のウィニングショットを積極的に打ちに行く。立浪監督が中田を頼りにするのも、この能力があるからこそです」(前出・同) この場面では、岩崎の決め球であるチェンジアップを狙い打ちした。試合後、地元名古屋のメディア関係者たちがコメントを取ろうと、中田にぶら下がってきた。質問は同点打に関してだが、試合は延長サヨナラ負け。中田は少しでも明るい話題をファンに届けようとする地元メディアの立場も理解したのか、 「同点に追いつけたことは良かったです」 とだけコメントした。 「試合前の打撃練習中、立浪監督はノックバットを片手にゲージ脇で選手を見ているんですが、中田がいると、歩み寄って色々と話をする場面が多く見かけられます」(前出・名古屋在住記者) 中日もそうだが、フリー打撃の練習はスタメン出場する選手が先にゲージに入るため、控え選手は最後のほうになる。その順番表が練習前に貼り出され、メディアもそれを見て大方のスターティングメンバーを把握するのだが、中田はベンチスタートになる日も10番以内に打つことが多い。「全ての調整を任せている」の意味だろう。 「スタメン出場する選手は自分が納得するまで打撃投手のボールを打ちます。控え選手がゲージで打つ時間は自ずと短くなるんですが、大抵の選手は『良い当たり』が出ると、そこで切り上げて次の選手にゲージを譲ります。一方の中田はスタンドに放り込もうとし、さらに連発させようとするので、他の選手よりも長く打っています」(前出・同) スタンドインにこだわる打撃練習を見て、「いつものルーティン」という声もあれば、「焦っている」と懸念する向きもある。立浪監督が中田とよく話をするのは、打撃のアドバイスというより、状態を確かめる意味があるのだろう。