スウェーデン中銀、5月にも利下げの可能性-ECBとFRBに先行か
(ブルームバーグ): スウェーデン中央銀行は27日、早ければ5月にも利下げを実施する可能性を示唆した。不況に苦しむスウェーデン経済は近いうちに中銀からの支援を得られそうだ。
テデーン総裁率いる理事会は予想通り政策金利を4%に据え置いたが、4-6月(第2四半期)中の利下げに関するシグナルを強め、利下げを今年3回行う可能性があるとの見通しを示した。決定発表後に通貨クローナは弱含んだ。
中銀は声明で「インフレ率が目標付近で安定することをさらに確認したい」とした上で「インフレ見通しが良好なままであれば、政策金利は5月か6月に恐らく引き下げられることになる」との認識を示した。
ガイダンスは当局者が最近の消費者物価データから、2年にわたるインフレとの闘いでの勝利へ手応えを感じていることをうかがわせる。インフレ退治のための大幅な利上げは経済に痛みをもたらした。
5月8日に利下げが実施されれば、スウェーデンはスイスに次いで、世界のG10通貨の中銀のうち2番目に緩和を開始することになる。
投資家の予想では、米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)は少なくとも6月まで待つと見込まれている。スウェーデン中銀のその次の会合は6月27日で、ECBとFRBの6月会合のかなり後になる。
スウェーデン中銀は2月に今年上期に金利を引き下げる可能性があるとした後、それ以上のガイダンスは示していなかった。
当局者は利下げに踏み切る前にインフレについての確信が必要だ。中銀はこの日、「インフレが高過ぎる水準で定着するリスクは後退を続けているが、インフレ圧力はなお高めだ」と説明した。
クローナはユーロに対し一時0.3%安の1ユーロ=11.5111クローナとなり、昨年11月以来の安値に下落した。
中銀は「インフレ圧力の再燃を引き起こし得るリスクがある」として、「地政学的不安に続く新たな供給ショックやクローナ安の継続、企業の価格設定が予想されたようには正常化しないこと」を挙げた。