センバツ2023 仙台育英 寺田賢生内野手(3年) パンチ利いた一発かませ 堺・陵南中出身 /大阪
◇指導した大阪天神ジム・山口会長 「龍谷大平安戦、頑張って」 ボクシングジムで鍛えた体を生かし、甲子園でも打つべし! 開催中の第95回記念選抜高校野球大会で夏春連覇を狙う仙台育英(宮城)の寺田賢生(けんしょう)内野手(3年)は以前、プロ野球選手や甲子園球児を続々と輩出するいっぷう変わったボクシングジムの練習生だった。 寺田選手が堺市立陵南中3年の秋から卒業までの半年間通ったのは、大阪市北区の「大阪天神ジム」。ジムの山口賢一会長(42)は2012年秋から半年間、当時中学3年だった大西広樹投手(25)=現プロ野球・ヤクルト=のフィジカル指導をしたのを機に、中学や高校の野球指導者から選手のフィジカル強化を頼まれるようになった。 山口会長はプロボクサー時代に世界タイトル挑戦経験もあるが、高校時代は日生第二(現青山=三重)のエース右腕だった。「野球とボクシングはインパクトスポーツ」であり、打撃や投球とパンチの動作には共通点があると分析している。ジム出身者のプロ野球選手には智弁和歌山で甲子園に5季連続出場した黒川史陽(ふみや)内野手(21)=楽天=もいる。 「半年で体重が8キロも増え、精神力もついた」とジム通いを振り返る仙台育英の寺田選手。3月中旬、センバツで背番号5をもらったと電話で報告された山口会長は「すごいやんけ。応援に行くからな」と喜んだ。 寺田選手は21日、慶応(神奈川)との初戦に3番・二塁手で先発出場。3打数無安打で途中交代したものの、チームは延長十回サヨナラ勝ちした。「打席で目線が上がり、重心が浮いていた。次は修正したい」と、寺田選手は28日の龍谷大平安(京都)戦での活躍を誓う。甲子園で観戦した山口会長は「(無安打に)こういう時もある。次は頑張ってほしい」。【来住哲司】