ユニコーン×東京スカパラダイスオーケストラ『SMA50&Uc300祭~横浜ユニパラ團~』2日目ライブレポート
『SMA 50th Anniversary presents「SMA50&Uc300祭~横浜ユニパラ團~」』、神奈川県民ホール2デイズの2日目=8月29日(木)、ユニコーンと東京スカパラダイスオーケストラの対バン。どういう趣旨のイベントなのかに関しては、前日のユニコーンと氣志團のレポの冒頭に書いたので、ご存じない方は、そちらをご参照ください。 【全ての写真】ユニコーン×東京スカパラダイスオーケストラが競演した『SMA50&Uc300祭~横浜ユニパラ團~』2日目(全15枚) まずはスカパラ。SEで「るろうの形代」のインストバージョンが流れるや否や、メンバーはまだ出て来ていないのに、ものすごいハンドクラップが場内を満たすほど、最初から客席のテンションが高い。1曲目は谷中敦、GAMO、大森はじめがマイクを持って「DOWN BEAT STOMP」。22年前のリリース以来、世界各地でスカパラのライブにおけるピークを担い続けてきたこの曲に、オーディエンスが狂喜する。曲終わりで谷中、「すごいねぇ! 盛り上がってくれているねぇ! もっと声聴かせてくださいよ。(声を聴いて)いいサウンドだ!!」と、本気でうれしそう。 1990年5月1日に『スカパラ登場』でメジャーデビューする3カ月前、ユニコーンのライブで、ホーンセクションのメンバーは初めて日本武道館に立った──という話をする谷中。「そんな、我々にとって先輩であり憧れの対象であるユニコーンですが、今日は憧れを捨てて! 思いきり戦いに行こうと思うよ!」という宣言から「戦うように楽しんでくれよ!」のおなじみのセリフにつなげて、スカパラの中でもトップクラスのBPMの速さを誇る「Glorious」になだれ込む。 後半での谷中の「タオル回せ回せー!」という煽りに応えて、客席中でものすごいスピードでタオルが回りまくるさまは壮観。曲の締めで谷中は『スカパラ甲子園』のタオルを、背中で掲げてみせた。 続く「火の玉ジャイヴ」ではGAMOが「イェーオ!」のコール&レスポンスを求め、「ルパン三世のテーマ’78」では加藤隆志がセンターに来て煽りまくる。「STROKE OF FATE」では谷中や大森はじめがソロを聴かせた。まだ前半なのに、ステージの上も下も、もう昇天しそうな勢いである。次の「東雲25時」で、ようやく客席がクールダウンできる時間になった。 GAMOのアジテートで始まった「Natty Parade」、NARGOの鍵盤ハーモニカ独奏を経ての「SKA ME CRAZY」。ハッピーかつ華やかな空気で、神奈川県民ホールが満たされる。後者では、北原雅彦が間奏のソロで回転しながら「メリーさんの羊」を吹いたり、スケボーに乗ったりと大忙し。 『ケダモノの嵐』のCDの帯は、丸い穴から川西さんの顔が覗いていて、「この人がドラム」と書いてある。それを見て、俺このバンド絶対好きだと思った──というMCから、茂木欣一が歌ったのは「一日花」。「“NO BORDER” 3部作」として、7月~9月と3カ月リリースする中の1曲で音源ではimase&習志野高校吹奏楽とコラボレーションしている楽曲だが、この日はスペシャルverとしてスカパラメンバーボーカルによるアレンジが披露された。 この曲が終わると、谷中が「次は、みんなに思いっきり驚いてほしいゲストが来ますよ!」と黒スーツ姿の奥田民生を呼び込み、「美しく燃える森」のイントロが奏でられる。 谷中、「驚いたかー!!」。この場にいる人、おそらくひとりの例外もなく、「この対バンなら出ないわけない」と呼んでいたであろうにも関わらず、ものすごいボリュームの大歓声が響いた。いいお客さんばかりだなぁと、つくづく思う。あと、この曲をスカパラでOTが歌うのを生で聴けたのは、かなり久々な気もする。 OTが去って「Paradaise Has No Border」が始まると、今度はユニコーン全員で登場。テッシーはギター、OTがサックス、ABEDON がトランペット、EBIがトロンボーン、川西幸一がコルネット、か? おもちゃみたいに小さいやつ。本当に吹いている人も、吹いているフリの人も、フリすらせずにトロンボーンを振り回している人も含めて、みんなで賑々しく盛り上げる。 スカパラは「GAMOさんこっちこっち」と印刷された「こっちこっちタオル」というグッズを出していて、この曲でそれを掲げると、フロントの6人みんなでそっちに行って演奏する──というのが恒例になっているが、この日は「ユニパラさんこっちこっちタオル」が販売されており、沖祐市、茂木欣一、大森はじめ以外の11人で、そっちに行って演奏しまくる、という楽しい光景がくり広げられた。 ユニコーンが去ってのラスト曲は「Dale Dale! ~ダレ・ダレ!~」。この曲が、2019年のアルバム『ツギハギカラフル』に収められた時のフィーチャリングボーカリストは、茂木欣一の大学時代の後輩、チバユウスケだった。