「今と全然違うじゃん…」『コナン』に『鬼滅』も…こんなにあった人気漫画「没タイトル案」
日本のみならず、世界中で愛されている日本の漫画。有名作には、それぞれに作品の世界観を象徴するタイトルがつけられているが、読んでいる途中で「こんな意味が!?」と驚かされるケースも。たとえば、諫山創氏による『進撃の巨人』や野田サトル氏による『ゴールデンカムイ』は、物語後半で回収される作品タイトルの伏線の見事さが大きな話題となった。 ■【画像】「かわいすぎる」朝ドラヒロイン抜擢、高石あかりさんが演じた舞台版『鬼滅の刃』の禰󠄀豆子姿■ さて、1994年から『週刊少年サンデー』(小学館)で連載され現在106巻まで刊行されている、青山剛昌氏による『名探偵コナン』はもともと別のタイトルになる予定だったことをご存知だろうか。 2017年5月に発売された『週刊少年サンデー』24号では『名探偵コナン』の没になったタイトル案が明かされた。誌面によると、連載前に編集部が出したタイトル案は『名探偵ドイル』だったという。 主人公の江戸川コナンの名前は、子どもの姿になった工藤新一が毛利蘭に名前を聞かれて、とっさに「江戸川乱歩」と「コナン・ドイル」の名前からつけたもの。 だが、連載前の時点では、『コナン』ではすでにある宮崎駿監督のアニメ『未来少年コナン』のイメージが強いために『ドイル』になりかけていたという。しかし青山氏は、かわいらしい響きの『コナン』をゴリ押しして、現在のタイトルにしたようだ。 さて、結果として『コナン』の耳馴染みの良さはご存知の通り。ここで強引にでも『コナン』にした青山氏の決断は間違っていなかったと、作品ファンなら胸を張っていえるだろう。 このほかにも、すっかり現在のタイトルが浸透しているものの、もともと別のタイトル案があった作品は多い。 社会現象にもなった吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』にも、現在のタイトルになる前に様々なタイトル案があった。 『鬼滅』のコミックスの余白部分で作品の設定やイラストなどを紹介するコーナー『大正コソコソ噂話』では、1巻に「こんなタイトル考えてたらしいよ」「皆さんはどれが好き?」と9つのタイトル候補があったことが示された。 『鬼滅の刃』以外の候補は、「鬼滅奇譚(きめつきたん)」「鬼鬼滅滅(ききめつめつ)」「悪鬼滅々(あっきめつめつ)」「鬼殺の刃(きさつのやいば)」「滅々鬼譚(めつめつきたん)」「鬼殺譚(きさつたん)」「空想鬼滅奇譚(くうそうきめつきたん)」「鬼狩りカグツチ(おにがりカグツチ)」「炭のカグツチ(すみのカグツチ)」。 タイトルが4文字の漢字になっているものや、「譚」という単語を使っているものが多く、どれもどこか堅いイメージがあるものの、作者の伝えたい作品のメッセージ性が感じられる。また「鬼殺の刃」に至っては、ほぼ現在のタイトルに近いといえる。 現在のタイトルに決定するまで、作者が熟考したことがわかるタイトル案だった。