[NBチャンピオンシップU-16]上越が初出場初優勝。大会MVPのFW関根暖太は「謙虚に、懸命に」戦い続けることを誓う
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.16 NBチャンピオンシップU-16決勝 上越高 1-1(PK4-3)飯塚高 時之栖うさぎ島G] 【写真】森保監督、スプリンクラーから子どもを助けて猛ダッシュ インターハイファイナリスト2校やプレミアリーグ勢などの強豪32校が優勝を争った“全国大会級のU-16大会”「ニューバランスチャンピオンシップ2024 U-16」は、上越高(新潟)が初出場初優勝。大会MVPにFW関根暖太(1年=藤沢市立鵠沼中出身)が選出された。 関根は予選リーグ初戦から2試合連続ゴール。昌平高(埼玉)との決勝トーナメント1回戦、日体大柏高(千葉)との準々決勝では、2試合連続決勝ゴールを叩き出した。準決勝の試合終了間際に負傷交代したが、決勝は0-1の後半開始から志願の交代出場。そして、14分にビッグプレーでチームを救った。 FW古川巧実が粘ってキープ。そして前を向くと、関根が鋭くDF背後へ抜け出す。「(怪我のため、後半も)『フルで出ない』と言われていたので、『ラスト、このスプリントにかけようかな』と思って、最後の力使っていきました」。ここへ古川巧からスルーパスが通り、PKを獲得。このPKをMF山崎生直が決め、1-1とした。 大仕事をしてのけた関根は、そのまま交代。ベンチメンバーやコーチ陣にハイタッチで迎えられていた。上越では普段からゴール前のトレーニングが多く、「そこが上手く出た」という崩し。チームリーダーが勝利への執念と取り組んできたことも表現し、優勝に貢献した。 プリンスリーグ北信越2部に所属しているものの、全国大会出場歴がなく、無名の上越が初優勝。関根は「率直に、めちゃくちゃ嬉しい。やっぱ謙虚に戦ったところと粘り強さがウチの強みなんで、そこが上手く出たかなって感じです。みんなタフなんで、勝つっていう気持ちで、全員が1つの方向に向かってたかなっていう気がします」と自分たちの特長を出して勝ち取ったタイトルであることを説明する。 決勝後の表彰式で、関根は大会MVPに選出。個人賞との2冠に輝いたFWは、チームメートに感謝する。「みんながいたから点取れたし、みんながいたから頑張れたっていうか、 仲間信じて、身体張って、自分の後がいるっていう気持ちでやってたんで、個人賞としては嬉しいですけど、チームで取ったものだと思っています」。チームメートともに掴んだ頂点と大会MVPを喜んだ。 水戸や大分、松本でプレーした藤川祐司監督は、関根について「馬力は1年生にしてはあるかなって感じです」。藤沢市立鵠沼中時代に全国中学校大会3位、2ゴールを決めて大会優秀選手にも選出されている注目株だ。上越では1年生ながらすでにトップチームの戦力となっており、公式戦で先発出場も経験している。 推進力のある動きは「ニューバランスチャンピオンシップ2024 U-16」でも目立っていた。加えて、「頑張れるところですね。タフさが自分の強みです。例えば1個のプレスだったりとか、競り合いだったりとか、ラストの足が出るか出ないかの場面とか。そこが自分は周りより優れてるかなと思います」。今大会のMVP獲得後、プロ入りした選手や年代別日本代表に選ばれた選手もいるだけに、今後の活躍に期待が高まる。 関根はまず、「上越の3年生の先輩を目標に」。チームとしても、「自分たちはチャレンジャーとして、謙虚に、懸命に戦っていきたいなと思います」と誓った。この結果に満足せず、成長の糧にするだけ。謙虚に、懸命に戦い、再び大舞台で輝く。