〔東京外為〕ドル、155円台後半=リスクオフ後退で上昇(20日午後5時)
20日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、ウクライナ情勢を巡る前日からのリスクオフムード後退の流れが継続する中、1ドル=155円台後半に上昇した。午後5時現在、1ドル=155円65~66銭と前日(午後5時、154円53~53銭)比1円12銭の大幅なドル高・円安。 前日の海外市場では、ウクライナ情勢の緊迫化を背景に一時は153円30銭前後まで急落した。しかし、ロシアのラブロフ外相が核戦争を回避する姿勢を示したと伝えられたことからリスク回避ムードが後退して買い戻され、結果的にいってこいとなった。 東京時間の早朝もこの流れを引き継ぎ、154円50~70銭台で推移。財務省が発表した10月の貿易統計で貿易赤字幅が市場予想を上回り、円売りがやや強まった。仲値にかけては、「五・十日要因で国内輸入企業のドル買い・円売りが優勢だった」(外為仲介業者)といい、155円に迫った。 一巡後はいったん利益確定で売られ、154円70銭近辺まで下落。午後は、米長期金利の上昇も支援してじり高基調となり、155円を突破した。欧州勢が参入する時間帯になると上げ足を速め、155円台後半に水準を切り上げた。「新規の材料が出たわけではないが、前日からのリスクオフムードの巻き戻しの流れが続いた」(FX業者)とみられている。米国時間に半導体大手エヌビディアの決算発表が予定され、注目されている。内容次第で米株価指数などが急変動し、「為替相場にも波及する可能性もある」(邦銀)という。 ユーロは対円で急伸、対ドルでは横ばい。午後5時現在、1ユーロ=164円66~67銭(前日午後5時、163円44~45銭)、対ドルでは1.0578~0579ドル(同1.0576~0577ドル)。