3連休初日 静岡県内で激しい雨 函南、熱海に記録的大雨情報 竜巻注意情報も
3連休初日の2日、静岡県内は低気圧や前線の影響で各地で激しい雨が降った。気象庁は函南町や熱海市付近で数年に1度しか発生しないような大雨になったとして、記録的短時間大雨情報を発表し、竜巻注意情報も断続的に出した。県内各地で道路の冠水や強風被害が相次ぎ、東海道新幹線は一時全線で運転を見合わせるなど交通にも影響が出た。 気象庁は午後6時50分、県内に記録的短時間大雨情報を出した。雨量計で観測した1時間雨量が函南町桑原で114ミリ、レーダーによる解析などで函南町付近と熱海市付近が約110ミリだった。 JR東海道線は雨量が規制値に達したため、熱海―興津間で運転を見合わせた。JR三島駅北口は構内に雨水が浸入し、自動改札機や券売機が利用できなくなった。運転再開やタクシーを待つ利用客が滞留し、駅員は水の掃き出し作業や利用客の対応に追われた。焼津市の男性(34)は駅に向かう際に冠水した道路を見て「雨がひどく心配してきたら、電車が止まっていた。妻に車で迎えに来てもらいます」と疲れ切った表情で話した。 沼津市では中心部の通称「三つ目ガード」周辺が冠水して、乗用車など少なくとも4台が立ち往生した。 県と静岡地方気象台は一時、静岡市南部に土砂災害警戒情報を発表した。葵区横沢の県道では午後5時40分ごろ、通行中の郵便局の車が土砂崩れに巻き込まれ、運転していた局員の男性(61)が右肘などを打撲するけがをした。 強い風も吹き、同市駿河区では民家に組まれた高さ約6メートル幅約10メートルの足場が倒れた。けが人はいなかった。掛川市では路上で露店の片付けをしていた50代女性が転倒し、軽傷を負った。 気象台によると、3日の県内は高気圧に覆われるためおおむね晴れるが、昼前まで雨が降る地域がある見通し。 ■東名で土砂崩れ、一部インター閉鎖 中日本高速道路によると、2日午後、東名高速道上り富士IC(インターチェンジ)ー愛鷹スマートIC間で土砂崩れがあり、この区間がインター閉鎖となった。新東名高速道新清水ジャンクション下り付近でも土砂崩れがあり、東名方面への接続道路が通行止めとなった。けが人はいない。本線に流れ込んだ土砂の規模や原因は調査中という。
静岡新聞社