【政治解説】103万円の壁見直し「国民民主党にうながされて、“仕方なく”やっているように見えるのでは」石破内閣の支持率 再び30%台に低下 国民民主党は支持を伸ばす 2024年12月最新世論調査解説
前回、40%台に回復した石破内閣の支持率は、再び30%台に下がりました。国会の答弁では、野党議員からも「野党にとっては手強い相手」と評価される石破首相ですが、支持率が伸びない背景には、やはり“政治とカネ”の問題への国民の根深い“不信感”が透けて見えます。一方、積極的に発信を続ける国民民主党は選挙以降、支持率を伸ばし続けています。最新の世論調査を日本テレビ政治部の竹内デスクと菅原解説委員の同期コンビが徹底解説します。
答弁評価されるも…石破内閣の支持率再び30%台に低下
【竹内】 12月の世論調査で石破内閣の支持率は、4ポイント下がり39%。前回、40%台を回復しましたが、また30%台になりました。一方の不支持は6ポイント上がって48%で、支持と不支持が逆転しました。 【菅原】 103万円の壁の見直しについては、世論の評価もあります。自民・公明の与党と国民民主党の幹事長レベルで合意もできて、補正予算案も通過したので、支持率が上がるような雰囲気もありましたが、逆でしたね。 【竹内】 自民党の閣僚経験者は、「やはり、野党から批判、追及を受ける予算委員会が開かれているからじゃないか」と分析していました。
【菅原】 石破首相は予算委員会で、時にユーモアも交えつつ、自分の言葉で丁寧に対応していたように見えましたが…。あまりそこは評価されていないということでしょうか。 【竹内】 確かに、石破首相の委員会の答弁が「良かった」という声は多いです。自民党の幹部クラスの職員は、「予算委員会での総理の答弁が良いという評価を聞く」と言っていましたし、自民党議員も「石破総理の答弁は安定している」と評価していました。 これは必ずしも自民党の人間だけではなく、野党の議員も、「予算委員会の石破総理の印象は丁寧で悪くない。野党にとっては手強い相手だ」と言っているほどです。 【菅原】 野党もそう言っているとすると、なぜ支持率に反映されないのでしょう。
石破首相のもとで政治とカネの問題が解決すると…「思わない」が86%
【竹内】 断定はできないものの、世論調査で見えてきたものはあります。「石破首相のもとで政治とカネの問題は解決すると思うか」と聞いたところ、実に86%の人が「思わない」と回答しました。前回よりも5ポイント上がっています。 【菅原】 単に高いだけでなく、前回と比較して“上がっている”ということがポイントでしょうか。つまり、石破内閣への期待感が下がっているということ。 【竹内】 そうですね。石破首相の答弁は悪くないけれど、“政治とカネ”の問題に積極的に取り組んでいるようには受け取られていないということだと思います。 自民党の閣僚経験者は、「政策活動費をめぐって、自民党が“公開の例外”を作ろうとしたことは、かなり評判がよくない。この期に及んでまだ“悪あがき”をしていると受けとめられているのでは」と指摘していました。 野党の幹部は、「“政治とカネ”の問題を含め、あらゆる改革に後ろ向きな自民党に、国民は失望している」と厳しく指摘していました。別の野党の議員も「“政治とカネ”の問題で、自民党全体の印象が悪くなっているからではないか」と話しています。 【菅原】 政治とカネの問題は尾を引いていますね。政治倫理審査会が開かれているので、また国民も思い出すでしょうし、なかなか信頼回復までの道のりは遠いのかなという印象ですね。 【竹内】 代議制民主主義という制度のなかで、議員にお任せする、信託する面も多いですから、「信頼できない」と受けとめられてしまうと、なかなか政治が機能しなくなってしまうようなところがありますよね。 【菅原】 「信なくば立たず」ということですね。