望海風斗、初のストレートプレイへの意気込み「私が挑戦するにはあまりにも高すぎる山だけど」
◆鬼気迫る彼女の中から生まれてきた言葉たち ―特に注目してほしいところや、どんな作品にしたいといった意気込みをお聞かせください。 「1幕は、もしかしたら『これは何を言いたいんだろう?』という感想が多いかもしれません。ですが、その積み重ねの先、2幕にマリア・カラスのすべてが詰まっていると台本を読んで感じました。 マリア・カラスの神髄にせまっていく、鬼気迫る彼女の中から生まれてきた言葉たちというものを、しっかり自分の中からも生み出していきたいですし、私が本を読んで感じたように、2幕のそこにピークがいくような流れをつくっていけたらと思っています。 そして、風貌が似ているとかではなく、どうやってこのお芝居にマリア・カラスの血を流していくかということですね。たくさんのことを乗り越えた先に出てきた言葉がどういうものなのか。それが観に来てくださる皆さんの中にどれだけ響いていくのかが楽しみです。 彼女の言葉は、芸術やエンターテインメントの仕事に従事していない方にも刺さるところがたくさんあると感じます。社会に関わっていくうえで大事なことをマリア・カラスが言ってくれているような気がするので、そういった言葉を皆さんの心にしっかり届けられたらと思っています」 ミュージカルでも類まれな演技力が評価されてきた望海風斗さん。20世紀最高峰のオペラ歌手マリア・カラスを、どのようにして舞台上に蘇らせるのでしょうか。 『マスタークラス』東京公演は、3月14日(金)~23日(日) 世田谷パブリックシアターにて。その後、長野公演はまつもと市民芸術館主ホール、愛知公演は穂の国とよはし芸術劇場PLAT、大阪公演はサンケイホールブリーゼで行われる。 ■STORY 世界中のオペラファンを虜にした、20世紀最大の歌姫〈プリマドンナ〉マリア・カラス(望海風斗)。引退後のカラスは、ニューヨークの名門音楽学校のジュリアード音楽院で、若きオペラ歌手たちにマスタークラス〈公開授業〉を行う。授業では、ユーモアを交えつつ、的確だが辛辣な言葉で、芸術に向き合う術〈すべ〉を惜しみなく伝えてゆく。生徒の歌声を聴くカラスには、過去の輝かしい舞台や想い出がよみがえってくる。愛を求め、挫折を乗り越え、芸術に人生を捧げたカラスの秘めていた過去が、解き明かされてゆく。
望海風斗