下地島空港、ビジネスジェットターミナル開業 滞在時間を最小化
三菱地所(8802)は4月21日、下地島空港のビジネスジェットターミナルを本格開業させた。空港の旅客ターミナルと同じく下地島エアポートマネジメント(SAMCO)が運営する。ビジネスジェットの乗客が滞在する時間を最小限にすると同時に、仮眠室など乗務員用施設を完備している。 【写真】下地島空港のビジネスジェットターミナル ビジネスジェットターミナルには、専用のCIQ(税関・出入国管理・検疫)施設を設置。ビジネスジェットの乗客が利用するラウンジや乗務員用の仮眠室、シャワー室、パントリーなど、運航・機内サービスの支援設備も整備し、ビジネスジェットの利用者と運航事業者の双方を意識した設計にした。また、送迎車などの動線はドライブスルーの設置をはじめ、空港の滞在を最小限にするストレスフリーなものにした。 片道の基本料金は国内線が10万円、国際線が25万円。国際線の保税蔵置やシャワー室はオプションとなる。機内のケータリングやドリンク、給油などはハンドリング会社の扱いになる。 運用時間は午前9時から午後7時まで。場所は旅客ターミナルの南側で、両ターミナル間には駐車場などがあり、ビジネスジェットターミナルの動線は独立している。 天井の内装には、三菱地所のグループ会社MEC Industry(鹿児島・姶良郡)が製造する「MIデッキ(配筋付型枠)」を採用。天然木のぬくもりが感じられる空間を創出したという。仮設時の型枠材を仕上げ材として兼用しており、型枠材の廃棄削減と建設時の作業負荷削減に寄与し、建物全体の炭素固定量を増やすことでCO2(二酸化炭素)削減につなげている。 下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ。島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。 旅客ターミナルは2019年3月30日に開業。同時にジェットスター・ジャパン(JJP/GK)が約24年ぶりとなる定期便を就航させ、現在はスカイマーク(SKY/BC、9204)も乗り入れている。 三菱地所では、2015年の計画発表当初からビジネスジェットやプライベートジェットと呼ばれる小型ジェット機の受け入れを打ち出しており、下地島に隣接する伊良部島や宮古島の富裕層向けホテルの滞在客などの利用を想定している。ビジネスジェットターミナルは3月21日に竣工し、4月8日に竣工式が行われた。
Tadayuki YOSHIKAWA