【ダービー卿CT回顧】パラレルヴィジョンが見つけた適舞台と今後の課題 アスクコンナモンダは3着も収穫あり
レースを決めた序盤の攻防
2024年3月30日に中山競馬場で開催されたダービー卿チャレンジトロフィーは、回復傾向だった芝を味方に枠順を活かしたパラレルヴィジョンが快勝した。 【大阪杯2024 推奨馬】勝率43.8%で単回率221%の黄金タッグ! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 混戦のレースほど、枠順や流れが左右する。ましてダービー卿CTは中山芝1600mのハンデ戦。枠順は結果に大きな影響を与える。今年も勝ち馬は1枠で、土曜のメインに移った2017年以降の8年で4枠から内が6勝。残る2つは5枠が勝ち、6枠から外の未勝利は継続した。上位3頭は5枠より内にいた馬で、5枠は途中からハナにいったエエヤン。差しに回った二桁馬番はノーチャンスだった。 次週も中山マイルのニュージーランドトロフィーがある。Bコース初週の土曜のメインだったことも大きいが、この傾向はいかそう。回復傾向の中山の芝は速く、それも内枠優勢に拍車をかける。 もうひとつの要素が流れだ。正直、このレースはスタートから2コーナー突入後の前半400mでほぼ結果が決まってしまった。 好発を切ったのがパラレルヴィジョンであり、飛ばすはずもない。早々に抑えにかかったことで、辛抱できなかったエエヤンが途中からハナを奪い、後ろを離して大逃げの形になったが、前後半800mは46.8-46.1。前半が下り基調の外回りではスローペースといっていい。 この序盤のパラレルヴィジョンとエエヤンの動きが決め手になった。この攻防があったのは、レース全体でもっとも速いラップが出る200~400m地点。そのラップは11.5と非常に遅かった。 過去10年のダービー卿CTでみても、ハイペースの年は10秒台が刻まれ、11.5はロジチャリスが勝った17年の11.6よりわずかに速く、モーリスが勝った15年と同タイム。17年は48.2-46.5とスローになり、勝ち馬と2着馬は4コーナー2、3番手だった。 15年も46.7-45.5とスローだったが、モーリスは4コーナー13番手から33.0で差し切ってしまった。いかにモーリスが怪物級だったかがわかる。