「理想の自販機は…」企業の出したお題に、若者たちが白熱議論 課題解決プログラム・コープタッチ
若い世代の発想を、企業の課題解決につなげようというプログラム「Corp Touch(コープタッチ)」が9日、大阪市浪速区の産経新聞大阪本社で開かれた。中学3年から大学生の約25人が参加。企業から提示された「課題」に対し、若者ならではの斬新なアイデアや意見が上がり、参加者は白熱した議論を繰り広げていた。 イベントを主催したのは、教育事業運営会社「Unpacked」(東京都港区)と産経新聞社で、関西で開かれるのは2回目となる。若者の柔軟な意見を取り入れたい企業と、大学入試で増えている「総合型選抜」で重要視される「課題解決能力」などを身につけたい若い世代を結びつけるイベントとして、令和4年5月から開催されている。 これまでのイベントでは、参加した企業が、若者の意見を取り入れた事業を始めた例も。Unpackedの小嶋彗史社長(26)は「採用活動とは違うイベントなので、若者のより斬新で本音の意見が聞ける。世代を超えて社会課題を解決する環境を創出したい」と話す。 今回は、アスベストやダイオキシン対策を行う「矢澤」(東京都渋谷区)▽社会課題の解決に取り組む「サインポスト」(東京都中央区)▽Unpacked▽産経新聞社-の4社が参加。午後1時にイベントが始まると、生徒らは3~5人のグループに分かれ、ディスカッション。その後、グループごとに意見を発表し、新聞の号外スタイルに記事をまとめた。 サインポストは「理想の自動販売機の商品や機能は」という課題を提示。普段から忘れやすいハンカチや充電器などの自販機を、学校や会社に設置する案や、コンビニが近くにない郊外に、旅行者のための着替えや歯ブラシなどを販売する自販機を置く案が発表された。 産経新聞社は「未来の産経新聞を考える」という課題で生徒たちと議論。生徒たちからは「新聞には親しみやすさが足りない」などという意見が上がり、「新聞を購読すると、自分の興味がある分野で記者の取材に同行できるようにすれば、若者の購読が増えるのでは」といった声が出ていた。 参加した高校2年の新開理央奈さん(16)は「企業の人と話ができる貴重な機会だった。課題を解決するためには、みんなでアイデアを出し合うことが大切だと感じた」と笑顔。参加企業の担当者は「自分たちとは全く視点が違う意見を聞くことができた。実際に事業に生かせるか早速検討したい」と話していた。