世界規模のニーズに応える「長崎港」の挑戦!LNG燃料《国際供給拠点》の可能性
長崎放送
脱炭素化が求められる中、世界的に「LNG」を燃料とする船の導入が進んでいます。しかし、日本には「LNG供給拠点」が少なく、供給体制の整備が急務です。長崎港では新たな供給拠点を目指した動きが始まり、地域経済の活性化も期待されています。 【写真を見る】世界規模のニーズに応える「長崎港」の挑戦!LNG燃料《国際供給拠点》の可能性 世界でおよそ470隻が運航しているLNG燃料船。重油を燃料とする船に比べて、二酸化炭素の排出量をおよそ30%削減することなどから、現在、船のLNG燃料への転換が進められています。 しかし、日本ではLNGの供給場所などが限られている現状があり、大きな課題となっています。 西部ガス広域産業エネルギー開発部 高田研磨マネージャー: 「LNGの供給を受け入れる先が少ない。どういう方式で受け入れたらいいのか」 ■「LNG燃料」供給方法は3つ LNG燃料の供給方法は3つあります。 (1)1つ目は、港に設置したLNGタンクから船に燃料を供給する方法。しかしタンク設置などにはコストがかかるため国内では数か所でしか行われていません。 (2)LNG燃料を搭載した船から、燃料を供給する方法もあります。しかし、その船は国内に2隻しかなく、スケジュール調整が難しいのが現状です。 (3)3つ目は、タンクローリーと船をホースで繋ぎ、燃料を供給する方法です。大分県や福岡県に続き、去年10月から長崎でも行われています。 ■17往復して燃料補給 福岡市に本社を置く西部ガスは、タンクローリーを使って、長崎港で船にLNGを供給しています。長崎の造船会社にとっては、燃料基地がある北九州市まで船を運ぶよりも経費削減につながるといいます。 西部ガス広域産業エネルギー開発部 高田研磨マネージャー: 「(北九州で補給すると)北九州に行って数日過ごさないといけない、そうすると人件費、宿泊費、北九州に行く航行の費用もそうですし、何かそこで不具合が発生したときに、地元(建造先)でやった方が対応も素早くできる。そういった意味で我々の方が長崎にローリーでお持ちするという形を取らさせていただいています」