まさに英雄! 海外クラブを救った伝説の日本人選手(1)スーパーヒーロー! 降格危機を救った最強の点取り屋
優勝や昇格、残留…。クラブにとって重要な局面で結果を残す選手は、自ずとサポーターの記憶に深く刻まれるものだ。それが欧州に渡った日本人選手であるならば誇らしいことこの上ない。今回は、海外クラブを救い、英雄的存在となった伝説の歴代日本人選手をピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
FW:大久保嘉人(おおくぼ・よしと) 生年月日:1982年6月9日 救ったクラブ:マジョルカ(スペイン) 通算成績:39試合5得点3アシスト スペインのマジョルカは日本人選手と縁が深いクラブの1つで、過去には大久保嘉人の他に、家長昭博、久保建英が所属していたことに加えて、現在は浅野拓磨がプレーしている。その中で最初に赤いユニフォームを身に纏った大久保は、同クラブにとっての英雄の1人と言っても過言ではない人物だ。 2004/05シーズン、エクトル・クーペル監督率いるマジョルカは第31節終了時点で残留圏と勝ち点10差の19位に沈んでおり、1部残留はほぼ不可能と思われていた。しかし、ラスト7試合で4勝3分、勝ち点15を積み上げる怒涛の追い上げを果たし、最終的に17位で奇跡的な残留を決めてみせた。その立役者となったのが、シーズン途中に加入した大久保だったのだ。 日本屈指の点取り屋はマジョルカでのデビュー戦で1得点1アシストという衝撃的なパフォーマンスを披露したが、その試合で負傷したことも影響して以降はあまり多くの出場機会を得ることができなかった。 それでも第36節アスレティック・ビルバオ戦で久々の先発を果たすと、1得点をあげ4-3の勝利に貢献。続く第37節デポルティーボ・ラ・コルーニャ戦では1得点2アシストと全得点に絡む活躍でチームを3-0の勝利に導いている。最終節のベティス戦でもスタメンに名を連ねており、チームメイトとともに奇跡的な残留を祝った。 当時のスペイン紙『エル・パイス』はデポルティーボ戦後、「大久保がマジョルカを照らす」と見出しを打ち「大久保が懐中電灯を点け、マジョルカは暗いトンネルからの脱出口を見つけた。日本人は最初の2つのゴールで決定的な働きをし、3つめのゴールの得点者でもあった。これでエクトル・クーペルのチームは最終節前に降格圏外に位置するが、このような偉業にはそれを具現化する誰かが必要であり、大久保はその役割を完璧に果たした」と伝えていた。
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